神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

ウィザードリィ 特性値の意味など

まえがき

中級者向けの記事のつもりです。未プレイの初心者がそこまで知ってなくてもいいという程度の内容です。
それなりに序盤を乗り越えた程度のプレイヤーが興味を持つであろう情報をまとめています。
また、上級者を名乗る人であればこのくらい当然ご存知であろうという情報でもあります。
初心者の方は説明書を読むのがいいでしょう。昔のRPGは説明書に多くのことが書いてあるものです。

本記事を書くにあたり、下記の2サイト、NES解析(ファミコン版の英語版)とApple解析をかなり参考にしています。

また、ローカスのリルガミンサーガ公式ガイドブックも参考にしています。

基本的にWizardry#1の情報です。#4や#5、ファミコン版III、外伝シリーズなど、機種やタイトルによって少々の差はあるかもしれません。特にGBC版やエンパイア、五つの試練などでは下記と大きく違うものもある(はず)。

力(STRENGTH)

打撃攻撃の強さを示す値。命中率とダメージに影響する。前衛職に必須のパラメータで、後衛職では不要。
簡単に説明すれば、力1上がるごとに命中率5%上昇。
厳密に解釈するなら「攻撃の成功率」といった感じだが、プレイヤーが丁寧に考える必要はない。力=命中率です。
追記:NES解析によると、16以上ないと命中率も上昇しないようです。半端に高くても効果がないということか…

ただし、力16以上あるとダメージも増加している。
Wizardryの物理攻撃ダメージは武器によって決まっており、攻略データだけ読むと本人の腕力は影響していないような印象を受けるのだが、実際は使い手の実力次第で武器のダメージに上乗せされる。
(この情報はリルサガ公式ガイドには書いてなかった。ネットには書いてあるサイトもあるが、日本語の書籍で書いてるものはないかもしれない)

知恵(I.Q.)

魔術師呪文の習得確率に影響するらしい。これが低いと、規定レベルに達しても呪文を習得しないことがよくある。
それ以外に何の効果もない。古く「ウィザードリィのすべて」にも魔法の効果に影響せず、あまり重要でないパラメータである旨が書いてあった。
知恵が高くて損するわけではないが、全魔法習得後は何の意味もない。
魔術師呪文を使えない戦士や僧侶には端から無意味、または転職用パラメータ。
ファミコン版FF1の知性よりは意味があるな。

追記:Apple解析によるとダイヤモンドの騎士の若返りの泉(知恵と信仰心が下がる)の判定には影響しているようだ?
知恵と信仰心が3の状態で下がる判定が出ると死亡になるようです。

信仰心(PIETY)

これも僧侶呪文の習得確率に影響するのみのようだ。
ウィザードリィのすべて」には蘇生呪文の成功率に影響すると書いてあるが、どうも間違いのようだ。NES版とApple版の解析にそうした情報はないし、リルガミンサーガ公式ガイドブックにも書いてない。
それとも影響のある機種もあるのだろうか…

生命力(VITALITY)

レベルアップ時のHPに影響。16以上あると基準より高いHPになる。
また蘇生魔法の成功率に影響する。死亡しても生命力が高いキャラクターなら高確率で蘇生できる。生命力の低いキャラクターは簡単にロストする。
特に転職直後は生命力が低いので、死亡すると大変なことになる。

素早さ(AGILITY)

戦闘時の行動順に影響する。全職で高い必要がある重要なパラメータ。
15以上から効果があるのだが、18だとほとんど完全に先手が出るくらい強烈な補正がかかる。味方6人全員が行動してからモンスターがようやく行動開始ということは、非常によく起きる。
また罠の判定率・解除率等に関わる。盗賊にとって最も重要なパラメータ。

運の強さ(LUCK)

解析によると、いわゆるセービングスローという判定に使われており、状態異常の回避率など、複数の要素に全体的に効いてるらしい。
どうも、効果は大きくないものの、無視もできないくらいの影響がある。
認識しやすいのは、ブレスのダメージを半減する確率が少し上がってる。
ホビットは非常に運が高いが、とくべつ盗賊に必要なパラメータというわけでもないようだ。

レベル(LEVEL)

Wizardryでは、レベルそのものが戦闘力全体に効く設計を取っている。
明確な影響があるのが物理攻撃の命中率と攻撃回数。一定レベルごとに攻撃回数と命中率が上昇し、同じ武器でも大幅にパワーアップする。
さらに異常呪文の成功率や状態異常への抵抗、罠の解除にも関わる。
とにかくレベルを上げていけば、全体的に強くなっていく。

AC(アーマークラス

物理攻撃の回避率。低いほど強い。
AC1下がるごとに回避率5%の差。
ウィザードリィでは、硬い鎧で攻撃を防ぐのと身軽な忍者が攻撃を避けるのは一緒くたに扱われている。
理屈はともかく、ゲーム上は単に物理回避率であり、ドラクエの防御力のような概念はない。
なおファミコン版1には、味方のACが機能していないバグがある。2以降は問題なし。

特性値の上昇・下降

特性値はレベルアップ時に各パラメータは75%の確率で上昇または下降。
この75%のうちの上昇する確率が、年齢によって変わる。
ファミコン版、リルガミンサーガなどでは、20歳前後のキャラクターなら圧倒的に上昇率のほうが高い。Apple解析によるとApple版も同様だが、IBM版は違うとのこと。
リルガミンサーガ公式ガイドブックに掲載されている式はAPPLE版解析とほぼ同じであり、20歳ならだいたい64%の確率で上昇し、下降する確率は11%程度。老化すると下降する確率が上がっていき、65歳くらいでついに下降する確率のほうが高くなる。そして生命力が2に下がれば老衰で死。
変化しない確率は年齢と無関係で、常に25%。
ただし特性値が18だと下がりにくくなってるらしい。
とにかく、若者なら上がる確率のほうが高い。なので、特性値をレベル1の時点で18にする必要はあまりない。
具体的には初期値が14あれば、レベル9前後でカンストしちゃうでしょう。

以上が特性値の基本情報となる。
まあ上級者であればご存じだろうという情報ですが、私自身そこまでのレベルじゃないから…

以下余談、その他の情報

先に紹介したふたつの解析サイトが非常に強力な情報源であることはおわかりでしょうが、これらの内容は少々難しい・上級者向けだったのではないかというのが、最近いろいろ見て得た感想です。
上記くらい簡易にまとまった情報が、案外どこにも見当たらなかった。

機種による差

正直、やったことのない機種のほうが多く、把握しきれてないが、上記はApple解析、NES版解析、リルガミンサーガ公式ガイドそれぞれ参照して、多くのWIZ1の基本仕様と判断した内容を書いたものである。
機種によって全然違うものもあるかもしれない。PCエンジン版とか調べてる人も見あたらないし。

たとえばGBC版は知恵と信仰心が高いと魔法のダメージが上がり、敵の呪文無効化を軽減するようになる。
また細かい計算を見ていくと、同系統のように見えるAPPLE版とNES版でもかなりの相違点があるようです。

特に理由のないプリーステス

理由がないというわけではなく、アイキャッチ画像がないと寂しいという理由で、資料見ながら描いた

忍者と盗賊

罠の識別率は素早さと職業で決まり、レベルは関係しない。シーフでも95%が上限で、カルフォと同じ。
ニンジャはどうやっても盗賊の95%に届かず、危険。ニンジャの罠鑑定は、正直忘れたほうがいい気がする。

罠の解除はレベルが関係する。実は盗賊じゃなくてもそれなりに解除できたりするので、危険性が低い罠なら戦士にやらせるのも手だ。

裸忍者

忍者の素手の攻撃力が他職よりちょっと強い機種や派生作品もあるようだが、どっちにしろ武器と比べて高いわけではなく、クリティカルが出やすいということもないようだ。
ただ、機種によって敵をダメージで倒すとクリティカルが出ないものがあるようなので、素手のほうがクリティカルが出やすいように見えるかもしれない。だがそれは単に普通の打撃より弱いだけなのだ。ニンジャも武器を持とう。
裸忍者に期待できるのは防御力のみ。それも尋常じゃないレベルまで上げてようやく平凡な重装備程度なのだ…

レベルと攻撃回数

前衛職はレベルが上がると打撃の攻撃回数が上がっていくのだが、後衛職(僧侶、魔法使い、盗賊、ビショップ)はレベルが上がってもずっと1回から上がらない。基本の1回に武器の攻撃回数のみが加算される。
少なくともファミコン版1とApple版とリルガミンサーガでは上がらない。

ただSFC版1は後衛職でも上がる。
また、こちらのサイトによるとWSC版も後衛の攻撃回数が上がるらしい(この攻撃回数の成長パターンは五つの試練でもほぼ同じらしい)。
SFC版の上昇パターンや、ファミコン版2以降や外伝などがどうなってるのかは調べてない。

人間の存在意義

人間が弱いと言われるのは信仰心の低さが主な原因であり、実のところ力と素早さと生命力それぞれが優秀な人間の前衛職適性は高い。力と素早さと生命力の合計で見ればドワーフより1劣るだけで、そのぶん運が高いので総合値でも全く負けていない。
そして信仰心は実際大して意味のあるパラメータでなく、これが一番効いてくるのは転職時である。
またファミコン版III系列では種族によって特性値の上限が違うので、むしろ素早さ上限15のドワーフなど使う気がしないのだが、大丈夫なのだろうか。

ところで、種族固有の抵抗力の差もあるらしい。
NES解析によるとファミコン版の場合、たとえば人間は毒・麻痺などモンスターの打撃に付与されるものをちょっとだけ防ぎやすいらしい(NES解析は「運勢値1」と記載)。APPLE版だとまた少し違うようだが。
あと両解析とも、忍者もこの耐性が強いようなことが書いてある。
よくわからんが、とにかく種族による差は少しあると。

HPとレベル

旧型ウィザードリィにおけるHPの仕組みをおおざっぱに説明すると「レベルアップ時にレベル回ダイスを振って、現在HPより多い数値が出ればHPはその値に上昇。現在HPより少ない数値だったら、1だけ上がる。」
HPが1しか上がらないことがよくあるのはこのため。だが、1しか上がらなかった場合は、そのぶん次のレベルで大きく上がる見込みも強まるわけだ。
逆に、現在のHPが平均値より高いと次は1しか上がらない可能性が高くなる。転職直後にHPが1しか上がらないのもこのため。

ダイスは職業によって異なる。戦士なら1~10×レベル。レベル10の戦士なら10~100で、これに生命力によるボーナスがつく。

侍のダイスは1~8だが、侍だけ他の職より1回多くダイスを振る。侍は最初だけ戦士よりHPが多いと説明書などに書いてあるのはこのためだが、すぐに追い抜かれる。

6以降や派生作品などでは、転職直後でもHPがモリモリ上がるものもありますね。

ダイスによる計算の特徴

ディアルマの回復量は3~24とされる。一見恐ろしくバラついているが、これも実際は3から24が等確率で出るわけではなく、「1~8のダイスを3回振る(3d8)」。
つまり3回連続で1が出れば3しか回復しないのだが、実際そんなに偏る確率は、高くはない。
全てのダイスの確率が均等だと仮定して、分布をグラフにするとこうだ。

ダイス方式の特徴で、数値の分布が広いように見えても、ダイスの個数が多ければ安定していくのである。

と思ってファミコン版で軽く試してみたのだが、明らかに平均値より多い16以上回復することが多い。
おかしいと思ってNES解析を読み直したらNES版のディアルマの回復量は8d3(8~24)だという。そりゃ上のグラフよりだいぶ強いな…
他の機種がどうかはわかりません。3~24の機種もあると思う。

なんでもかんでもダイスでやってるわけでもなく、普通に乱数を使う計算もあります。

このくらいでいいかな…
中級者向けと言いつつまあまあ余計なこと書いた気もする。