ピンポイントな話題
2002年発売のテイルズオブデスティニー2(TOD2)は非常に面白いRPGであり、もちろんご存知でしょうが、固有名詞にスクウェアRPG由来のものが少しあることに気づいた。当時気づいてたけど書く場所もなかったのでずっと忘れてた。
最初にあれっ?と思ったのはこいつらだった。2種類のカニのモンスターだが、どちらもロマサガ1で見た名前。クラムボンなんて名前のモンスターをカニで出したゲームはロマンシングサガとテイルズオブデスティニー2以外に知らん。
別に性能的にはロマサガと一致してるものではなく、ただ名前が同じだけだ。だからクラムボンだけならまだ宮沢賢治が元ネタだから、偶然の一致もあり得たが、コーラルクラブまでいることで明確にロマサガ1から持ってきた命名である、と判定できる。
ところで本作は一度クリアしたエリアの大部分に二度と行けなくなるリニアな設計を取っている。それでかなりの数のザコ敵が期間限定でしか遭遇できないのだが、コーラルクラブは通常よらない狭い海岸にしか住んでおらず、モンスター図鑑を埋めるときに見逃しやすい敵として、ロマサガのものより注目度が高い。
- ランドタートル
どうってことのない単語の組み合わせ(陸生ウミガメ?)だが、これもFFシリーズ特有の名前。トルネコ2で「ランドアーマー」がFFのと間違ってランドタートルになってるらしいというくらい、うっかり使ってしまいそうな一般的な雰囲気に反して一般的ではなく、FFと結びついたネーミング。
ランドタートルだけなら言い逃れもできるが、TOD2には色違いのアダマントータスがおり、アダマンタイマイに寄せてきてる。つまりランドタートルが一般的な名称であることを承知の上で、あえてFFへの意識を隠さずに見せている、と考えられる。そしてこのアダマントータスも翌年のFF10-2にアダマンタイマイとは別に登場。実はテイルズのほうが先に出したモンスターなのだ。
カメのモンスターにはもう一種類ジルコンシェルというのがいる。ブレスオブファイア2に同じ名前のモンスターがいるらしい。
- ギガントード
- ジュエルビースト
また何気ない名前のギガントード(ギガントなヒキガエル?)だが、FF2以降のシリーズに何気なく何度も出てくるモンスターで、ファミコン時代の字数への配慮も感じるネーミング。何気ない名前ながら、あまり他のゲームでは見ない。
ギカントードだけならうっかり名前がかぶってしまった可能性もあるが、ジュエルビーストのほうは、この名前でカエル型というのは明らかにロマサガ1由来だろう。ただTOD2のジュエルビーストは普通のザコモンスターにすぎず、ロマサガのそれとは扱いはだいぶ異なる。
カエル系にはもう一種類ドゥームトードがおり、これはWizardry#2に同名モンスターがいる。
- ルーンビートル
ロマサガ1の昆虫系モンスターと同名だが、これは他のゲームにも出てるようだ。普通の名前なので元ネタと判定できないが、サガへの意識は強そうなので書いておく。
- プロトタイプ
序盤にブエルという古代兵器のボスがいるのだが、ゲーム後半に出てくるその色違いのザコが「プロトタイプ」。試作機のほうがザコ扱いというのはFF5の同名モンスターと類似。だが強いオマージュを感じるほど近くはない。
前作テイルズオブデスティニーでは女神官タイプの敵はプリーステス、サケルドース、ビショップの3種類だったが、TOD2では聖剣伝説3のシャルロット光クラス(クレリック→プリーステス→セージ or ビショップ)と同じ序列になってる。僧侶系なのにセージが最上位なところに特徴がある。
しかしクレリック、プリースト、ビショップとクラスチェンジするゲームは伝説のオウガバトルもあるし、セージ(賢者)も含めて普通に思いつきそうな組み合わせではあるので、元ネタであるとの断定はしにくい。またTOD2だと男神官がモンク、プリースト、ビショップ。シリーズごとにプリエステスがプリーステスになったり女のほうがプリーストだったり、この系統はネーミングも混沌としてる。
TOD2の女ザコはけっこう人気がありファンアートがけっこう描かれてる。女神官は回復魔法を使わなくなっており、弓と短刀と風魔法で戦うレンジャー的な技構成。
- バウンサー
- バシュカー
- ゴッドハンド
格闘家タイプの敵。バシュカーとゴッドハンドは聖剣伝説3のケヴィンのクラス。ゴッドハンドは別に元ネタがあるが、バシュカーは由来が全くわからない用語で(ネットにバーサーカー説があるが私は未確認。どうも疑わしい)、ケヴィンから取ったと見るべきだろう。バウンサー(用心棒)は聖剣伝説とは関係ないが、この並びにあるとスクウェアのゲームタイトルへの意識を感じる。
気付いたのはこれだけ。TOD2に200種類以上いるモンスターは神話、伝承、クトゥルフ、完全オリジナルその他いろんなところから名前を持ってきてるが、そのうち多く見て十数種類くらいがスクウェアRPG由来の可能性が指摘できる。と言っても、どれも一般的な単語の組み合わせばかりで、スクウェアに権利があるタイプのものとは考えにくい。どうってことはない。しかし他のゲームであまり見ないモンスターなのも確かだ。実際「ランドタートル」くらいの名前でもFF以外では滅多に見かけないのだ。
何が言えるかというと、モンスターを既存の何か、神話やら創作物から引用してアレンジすること、現状いろんなファンタジー作品で相互に行われているが、D&Dから持ってくるより、ランドタートルのような一般的なネーミングをもっと使っていっていいのではないのか?ドゥームトードのように他のゲームから持ってきた名前も、他にも気づいてないだけで結構あるかもしれない。TOD2はそれをやってることを自覚的で、ユーザー側にもわかるように出してるように思う。
ただ、こうした他社ゲーからの引用っぽいモンスターは私の知ってる範囲ではTOD2固有の話題で、以降のテイルズでは見たことはない。私の知ってるテイルズの範囲が狭いので、はっきりはわからないが…
実際「アダマンタイマイ」だと、さすがにFFすぎてちょっと難しいという気もするし、それを言うならジルコンシェルならセーフなのか、アウト度で言うならモリガンみたいなデザインの魔女にマリガンと名付けるのはそれはセーフなのかとか、あまり気軽にやるのも危険な感じはある。
モンスター以外にも、アイテムにも同じようなものがいくつか。
ジューダスとハロルドのサブ武器の短剣。その中の上位の3種類については、聖剣伝説3のホークアイの闇クラスの武器から名前を持ってきてる。ナイトブレードの最強武器デスストロークと、ニンジャマスターの最強武器「こんごうらかん」、闇クラス(ニンジャ)最初の専用武器「かるら」。迦楼羅も金剛羅漢も短刀っぽい名前ではなく、聖剣3由来と考えていいだろう。
- ラストクルセイダー
最強の鎧だが、どうもベイグラントストーリーの鎧タイプの敵から持ってきた名前っぽい?
やったことないゲームだが気付いたので記載。
武器だとファフニール、ゼピュロス、エウロス、ボレアスは神話由来の名称だが武器の名前ではなく、オウガバトルの影響に思える。オウガは2002年だともうスクウェアのゲームだったか。
- 自由称号の男がラグーン語
アクアヴェイルの「自由を愛する男」という人がラグーン語で話しかけてくる。

……誰かがそう教えてくれた……
ここまで挙げたモンスターやアイテムとは違い、全く一般性がない、言い訳不可能の完全なレーシングラグーンネタ。客層が違いすぎたのか、気付いてる人は皆無だが。
……冗談じゃねえ……

わざわざサガとかポエムに入れてるのも、これはレーラグがサガと近いチームの開発であり、体験版でギュスターヴに言及していたことと意識が混ざっているのだろう。
このゲーム作ってる最中も「ノイシュタット最速の男」とか、そんな言葉が脳裏をかすめていたのかもしれない……
この自由称号というのはテイルズオブリバースにもあり、こちらでもラグーン語を聞くことができる。ごましお程度に覚えておいてほしい。
テイルズオブデスティニー2は現在でもソフトの入手は容易だが、ハードはPS2かPSPのみのため、今やるのは結構面倒なほうとなっている(※バンダイナムコはPSPソフトのダウンロード販売を終了したようなのでVitaは不可になった)。リマスターされる優先順位も比較的低そうなので(もっと移植されてないテイルズが他にも山ほどある)、今からやる人は頑張ってどっちかのハードを用意するしかないでしょう。

突然思いついたこの記事を書くために久しぶりにテイルズオブデスティニー2のオフィシャルガイドブック(新装版)を引っ張り出したが、ただのザコ1体ずつにフレーバーも最小限に徹底的な攻略を書いてて怖い。なんだこの熱量は。非常に役立つ攻略本ですのでクリアした後からでも手に入れてください。※新装版はPSP版対応で、PS2版に存在しない要素を分けて書いてないので注意。