神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

途中からでもドラゴンボール超を見よう

知ってると思うが現在、毎週日曜朝9時よりフジテレビ系列でドラゴンボールの新作アニメドラゴンボール超が放映中だ。
序盤から前の映画と同じことを引き延ばして放映し始めたときは内容的にかなりどうしようもない感じだったが、映画原作パートを脱して破壊神シャンパ登場からはメキメキ面白くなり、毎週楽しみに見られるようになった。悟空・ヒット戦はドラゴンボール史上に残る名バトルであった。
そして今度は未来トランクス再登場と、謎の敵ゴクウブラックの襲来とまったく先の予想ができない展開に、盛り上がりは最高潮となっている。

今からでも遅くはない。
ドラゴンボール好きなら、「ドラゴンボール超」は必ず見よう。途中から見てもついていけるからでぇじょうぶだ。

この記事の結論はそれだけなのだが、残りは「超」を見てない人の手助けになるような補足的な情報を書いていこうと思う。

ドラゴンボール超って、どういうアニメ?

ドラゴンボール超」は、ストーリー原案を鳥山明が手掛けたまったくの新作アニメーションである。
舞台となるのはブウ編の少し後で、原作最終話までの10年の間のどこか。
すなわち、原作者自らの手による正当な続編と取ることができる。

ただし、鳥山原案がどの程度存在するアニメなのか、これがよくわからない
同じプロットから描かれている漫画版の展開を見る限り、アニメの脚本というほどの細かいプロットではないと思われるので、おおまかな展開や登場人物だけ決まっていて、残りはアニメ側で作っている、というところではないかと思われる。合間のオリジナルエピソードは鳥山原案すら存在しない気がする。

また、アニメ版「超」は原作の続編ではない。前番組「改」の続編であることを意識していると思われる描写が複数ある。

「超」では
・界王様のところにグレゴリーがいる
・セルゲームに来ていたミスター・サタンの関係者が再登場している
・ブルマはギニューとチェンジした経験があるっぽい

これらはZのオリジナルでもあるが、改で消えていなかった部分だったりする。特にサタン関係者は「Z」でもブウ編で消し去られた部分であり、わざわざ拾ってくるところにアニメ版時空であることのアピールを感じる。

ただし、

フリーザのいた地獄の描写は改(Z)と違う
・声優はおおむね「改」準拠だが、ビーデルはZの皆口裕子に戻り、キビト界王神はGTの太田真一郎に変更されている。
太田真一郎は「超」で初めてキビト界王神ではない界王神を演じたことになる)

というわけで「超」は「改」ベースであるが、声優が変わる程度の範囲で微妙に改とも変化した世界である。
原作に準拠した部分の多かった「神と神」「復活のF」とは違うが、原作だけ知ってればついていける程度の要素である。

ちなみにこんなことを書いてる僕自身が改をまともに見てないのは内緒だ。

その他の点で言うと、地球のドラゴンボールの使用回数が3回になっている。復活のFでは2回だったので設定自体が変わっている。

◆「神と神」「復活のF」とはどういう関係?

この映画2作と「超」は明確にパラレルである。「超」では、この2作品の内容を微妙に変更して、あらためてテレビ向けに構成して放送した。
変更点じたいは割と多いのでパラレル。
良い変更ばかりではない。
特に「神と神」パートは引き延ばしが往年のドラゴンボールZに負けずとも劣らぬレベルであり、既に映画を見ている人間にとっては修行そのものであった。
それでも合間のオリジナルは割と面白い話もあるし、見ておけば現在の展開につながる部分もあるから見る価値がないとは言えないのだが…
無理して見て脱落するくらいなら、見るの自体やめておいたほうがいいだろうというのが率直な意見だ。
だから「修業」だ。

「超」を途中から見る場合も「神と神」は見ておいたほうがいい。「復活のF」はそうでもないかなあ…

ドラゴンボール超の時代はいつ?

謎である。
「超」はブウ編より数年後と思われるが、具体的な時期は明かされていない。

パンが生まれていることから時期はおのずと決まるはずだった。パンは原作最終話の時点で4歳、最終話はブウ編の10年後。よってパンが生まれた「超」は原作の5~6年後、と言いたいのだが、「神と神」のときにも書いたけどトランクスと悟天とマーロンがまるで成長していない。最新設定のサイヤ人の成長速度を考慮しても不自然である。マーロンはサイヤ人じゃないし。
でも悟飯は成人して学者になっている。それなりの年数は確かに経過している…
ドラゴンボールの復活速度も適当になっている。超サイヤ人ゴッドになるときに使用、フリーザの復活に使用、ピッコロの復活で使用。2年くらい経ってることにならないか?

「超」はブウ編より後であるが、非常にいい加減な時間軸の話である

◆「ドラゴンボール超」は「GT」につながるの?

たぶんつながらない。つながりを意識した様子はまったく見られない。
これは「神と神」の時点ですでにかなり無理があった。一番の問題は、よりによってGT作中ではかなりどうでもいい存在のピラフ一味の若返りで、これだけでもうGTへの接続は無理だと断言していいのだが、他には界王星が復活している(これはたぶん神と神の素のミスであるが、復活した経緯は特別版で説明がされていた)、超サイヤ人3より上の形態が登場するようになったことなどもある。
そして「復活のF」ではアニメ版やGTとまったく違うフリーザの地獄が登場し、悟空とベジータはゴッドよりも上の超サイヤ人ブルーへの単独変身が可能になり、「超」ではキビト界王神が分離してしまった。

これらの問題をどうにか解決してGTにつなぐことができないとは言えない。だってドラゴンボールがあるんだから。
でもそれって楽しい展開か?
パラレルワールドとしてGTが存在していることを「超」の中で肯定する可能性なら否定はできない。または「超」の未来に、我々の知ってるGTと違う歴史の「GT改」があるのかもしれないが。
直接の続編として無理につなぐことはないだろう。

◆原作最終話との整合性は?

子供たちの年齢問題はさておき、悟空とブルマは最終話時点で5年くらい会ってないとのことである。
5年か…ドラゴンボールの使用回数を考えるともう神と神からでも2年以上経ってるような気がするが…

ブラは現時点でまだ生まれる様子がない。年表通りパンより年下という設定を採用しているのだろうが、年表だとパンとの年齢差は一歳のはずだがいつ生まれるんだろう…
年表以外のページではブラのほうが年上という説もあり、これは現在では否定されたものと思われるが、GTはブラのほうが年上でデザインしていたように見えた。

◆ジャコって何?

ジャコはドラゴンボールの前日談である銀河パトロールジャコ(2014年 全1巻)に登場するキャラクターだ。「復活のF」でも「超」でも何の説明もなくブルマの友達みたいに出てきているが、ジャコが何なのかは読んでみればわかるし、読まなきゃアニメを見てもまったくわからないようになっている。
読むしかねえ…
ブルマとは何十年も会ってないはずだが気にするな。

個人的にはドラゴンボールと無関係の短編として発表してほしかった一冊。

◆未来トランクスの髪の色はなぜ水色?

結論だけ言うと、設定上の理由は無いようだ。
超のブルマはトランクスの髪色が水色だと認識していて、そして実際に見たときに特に違和感も持っていなかった。ブルマたちはトランクスの髪色が変わったことを認識していない。

設定上の理由以外で、水色になった経緯はある。話は神と神公開時にさかのぼる。
ムック「ドラゴンボールZ 神と神 オフィシャルムービーガイド」のインタビューで鳥山明「髪の毛の色を間違えていたキャラもいた」と言っている。
で、実際にこの本に載った設定画では、ブルマが原作じゃなくアニメ版っぽい水色なだけではなく、

18号ピラフ

18号とマーロンがグレーか銀っぽい色、ピラフが緑色、トランクスがブルマと同じ水色なわけであるが。
トランクス以外はアニメの設定通りに塗りなおされ、鳥山明が描きおろした集合イラストでも18号マーロンピラフの色は戻っているが、ブルマはアニメ版のままなので特に直されなかった。

トランクス

そしてトランクスは原作ともアニメとも異なる水色のままであった。
で、「超」のために描きおろされた未来トランクスも懲りずに水色である。髪色にこだわってないと何度か言ってる鳥山先生だが、発言に反して何かこだわっているんじゃないか?
アニメ側が鳥山イラストの前に折れた形になる。もちろん演出上、大人トランクスが別の色のほうが対比しやすいというのもあるだろうが。

トランクスの髪の色、原作ではブルマと同じ紫色であることが多いが、アニメ版に近い色で載ったこともあるようだ。
それにアニメ版のカラーも鳥山明がチェックしていると思われる(ベジータ初登場時の変な色は有名だが、後にカラー不明のキャラをアニメに出す際にチェックする態勢を確立したそうである)
でもGTでは特に説明なく紫色になった。これも鳥山明が描いたGTのイメージイラストに合わせたものだと思われるが、同じ世界観の中で何の理由もなく変化したことに違いはない。
というわけで今回は水色。
トランクスの髪色は適当に変わってもよいルールがある

◆未来マイはなぜ若い?

これはまだわからない。こちらの歴史ではドラゴンボールで若返ったことになっているが、向こうの未来のドラゴンボールはとっくに失われている。失われる前に若返ったのか?
その方法で説明できなくもないけど、それだと若いと言ってもトランクスよりは年上ということになるだろうか。
さすがにそのうち理由は説明されるだろうと思うが、現時点で詳しいことは不明。予想すら困難である。

◆未来トランクスの年齢は?

セル編のときは約17年さかのぼってきたトランクスだが、今回戻る際も「17年前」と言っているので、それが何かの理由で変動していなければ、向こうの未来も同じくらいの時間が経過している。
と言っても「超」がブウ編の何年後か自体わからないのだが…
最低でセル編~ブウ編の7年は確実として、12年程度経過しているとすれば未来トランクスは20台後半ギリギリ30前くらいということになるな。
「前に行った時空」という程度の意味で「17年前」と言ってるだけかもしれないので何とも言えないが、それでも前回から最低数年程度は経過していると思われる。

◆というか、本当にセル編のトランクス?

トランクスの発言から「過去に来てセルと戦った経験のあるトランクス」であることは確実だが、「同じような経験を持つ別の未来のトランクス」という可能性も否定はできない。
でも今回のアニメでそんなややこしいことはしないだろうということで、この話はおしまい。

でもでも、「未来」と呼んでる世界が実は最初から未来じゃなく、別の宇宙のようなパラレルワールドだった可能性は否定しがたいところもある。
未来ダーブラ戦で「界王神」の姿が描写されていなかったのも気になるところだ。
今後の展開に注意したい。

◆現在の地球版ドラゴンボールの仕様はどうなってる?

ドラゴンボールでかなう願いは通常3回、大量復活をすると2回ぶん消費するという、過去に大全集で設定されたものの、映画とかでまったく採用されてこなかった解釈とほぼ同じものを「超」では正式に採用した。
さらに、10年以上前に死んだフリーザが復活できたため、死後の期間の制限もたぶんなし。
(よく言われる「死者は1年以内に死んだものしか復活できないという」ルール、すごい微妙なんだけどこれは原作の時点でも大量復活時の専用ルールであるようにも読める)
ナメック星の最終ドラゴンボールには若干劣るが、地球版のドラゴンボールとしては過去最大性能になっている。映画とも仕様が違う。

ドラゴンボールの再使用可能期間は1年らしい…
気軽に何度も使ってるのでだいぶ時間が経過している気がする。

追記:ピッコロを生き返らせたのはポルンガだったことを完全に忘れていたので記事を直しました。やっぱりフリーザ編まじめに見てなかったことを再確認したのだった…

超サイヤ人の仕様はどうなった?

「神と神」で、悟空は「超サイヤ人ゴッドのパワーを持ったサイヤ人」になり、通常の超サイヤ人への変身はさしたる効果がなくなった。
そして「復活のF」では、もはや光るだけの形態となった超サイヤ人には変身せず、新たな形態「超サイヤ人ゴッドSS」へと変身したわけであり、その流れは「超」でも同じだったわけだが、
なんかシャンパ編の途中から悟空もベジータも普通に超サイヤ人に変身するようになり、先週は超サイヤ人2になったトランクスを悟空は超サイヤ人3で圧倒してみせた。

変身すらしてないベジータが超ゴテンクス3以上の力を持っていることは描写されているので、素の状態がパワーアップしていることは確かのようだが、超サイヤ人のパワーアップ自体は起きる仕様に戻ったようである。
金色になったほうがわかりやすいしね。

アルティメット悟飯は「神と神」まではあったんだが…