神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

新ブロ映画、そして『神と神』ブルマ38歳問題・解決編(解決してない)

まだ書いてなかったが2週間くらい前に『ドラゴンボール超 ブロリー』見てきた。
前評判ムチャクチャ良くて、試写会を自力で引き当てたDB芸人たちが絶賛しながら勝手に宣伝してハードルを上げていたが、こいつは想像以上だ…
ブロリーのことなんか覚えてなかった鳥山先生が、かつてのブロリーの魅力をしっかり受け継ぎながら、現行のドラゴンボールとも整合性を取り、全く新しい魅力を持ったキャラクターに作り替えた。これなら鳥山先生の言ってた通りブロリーファンも納得だ。
さらに鳥山先生ブロリーのリメイクも完璧ながらパラガスの理解度がすごい。パラガスがだ。ネタにでもされなきゃ俺もどんなキャラか覚えてなかったと思うパラガスが、こっちはかなり旧作の性格を受け継ぎながらも新しいブロリーに対する新しいキャラクターとなった。鳥山先生パラガスなんて絶対覚えてなかっただろうになんでこんなに丁寧に掘り下げられたのか。
そして忘れちゃならないフリーザ様。復活のFでいまいち古いキャラクターから脱却できていなかったフリーザだが、今度の鳥山先生はわかっていた。悪党のままながらも、軍の縮小と悟空への複雑な意識からちょっぴりだけ心境が変化しつつあるフリーザ様。この本当に微妙な変化の表現が絶妙。
物語を支えるのは、シサミやタゴマとは全く違うタイプのフリーザ軍の新しいキャラクターたち。
ただ古いキャラを引っ張ってきているだけの映画ではない。ドラゴンボールの物語は今も時代に合わせてアップデートを続けているのだ。

ところで水を差すようだが整合性の話をする。
知っての通り旧ブロリーは原作ともアニメとも整合性が取れていない映画だった。悟飯が超サイヤ人になっている割にそんなに強くなく、そして悟空が生きてるのでセルゲーム前だと考えるしかないが呑気に花見してるあの人たちは何なのか。
当然今回のブロリーではその歴史はなかったことになっている。パラガスが生き返って再登場したわけではない。それはいい。
今回注意したいのは悟空の地球到着=惑星ベジータが爆発した年代についてである。それが36年前だ。

新ブロ年表

41年前:コルド大王がフリーザに軍を継がせる。ベジータブロリーは保育カプセルにいた。ブロリーが惑星ベジータから追放される。
36年前:カカロットが地球に送られる。惑星ベジータフリーザに破壊される。
現在:力の大会終了後、悟空とベジータはまだ修業を続けていた。

はっきり「41年前」と「5年後」が出てきたことでカカロットの脱出が36年前に確定された。その描写は『銀河パトロールジャコ』のものにほぼ準じている。うん、36年しか経っていないんだ。

ドラゴンボール大全集などに掲載され、『神と神』の頃にも再発表された年表によると、
エイジ737年:カカロットが惑星ベジータ脱出。
ブウ編がエイジ774年なので、だいぶ前の時点で37年経過しているのに36年まで圧縮されているのである。

以前の記事でも書いたが、この旧年表は絶対視するもんでもないのだが、原作との整合性はかなり取れている宇宙世紀の年表よりマシなくらいである。原作に出てきた「〇年後」というのと積み重ねていけば、原作の範囲については自ずと旧年表に近いものが完成するはずである。解釈次第で数年程度の差はあるかもしれないが大きな変動は起きないと思う。
(なおエイジという年号は未来から来たトランクスが語ったものである)
ブウ編から数年経ったドラゴンボール超の時点で36年前というのは…無理だ。
だがそうなったものは仕方ない。これからこの数字が正しいということで年表と原作のほうの解釈をなんとかしていこう。

「現在」がいつなのかは不明。映画でエイジ774って数字までは見えたが…これは旧年表だとブウ編の年なので、多少は旧年表の名残があるようなのであるが、それでけっきょく「現在」がいつなのかはあやふやだ。
原作ではっきりしていないカカロットベジータの年齢差は今回の映画でも正確には不明だが、約5歳差。旧年表でもベジータの生年は732年で、カカロットより5歳年上だった。これはどうも受け継いでる感じ。

保育カプセルについては『銀河パトロールジャコ』の描写ほぼそのままとなっている。36年前のカカロットは成長が遅いタイプということで体が小さいが、赤ん坊と言えるほど小さくはない。ただし何年くらいカプセルに入っているかは不明。

銀河パトロールジャコ』によると、カカロットは3年カプセルに入っているはずだが、映画でもそのままなのかは、セリフの上でははっきりしない。
しかしそれはセリフで言ってないだけで、そこをわざわざ変えた様子もなく、新ブロ年表における悟空の年齢はたぶん39歳であろう。※あの世と精神と時の部屋の期間は忘れる。

銀河パトロールジャコ』によると、カカロット地球到着時点でブルマは5歳である。ブルマと悟空の年齢差は2。
最初の悟空が年齢を間違えていた件について。連載開始時点での悟空14歳というのは数え間違いで実際は12歳で、16歳のブルマより4つ年下ということになっていたが、真実は2歳差であり14歳のほうが正しかった。
ただし、悟空が拾われた時点で1歳だったというふうに孫悟飯が決めたのだと、そのように勝手に解釈すれば12歳で合ってることになる。どのみち悟空が自分の正確な年齢を知る機会は一度もなかったはずであり、今も本当は39歳だけど37歳だと思っている可能性は高い。いや死亡と修業で実年齢ずれまくってるし数えてないかな…

今回の映画ではブルマの正確な年齢は出てこないが、『銀河パトロールジャコ』に準じているとすればブルマは36年前に5歳なので現在は41歳ということになる。
ん?
神と神のときは映画でも38歳って言ってましたよね。あのときは旧年表で45歳のはずで7年もサバ読んでるって話題になってたけど、最新映画で41歳なんだからやっぱり合ってたんじゃないですか?
「現在」は神と神のときからフリーザの復活、界王様の復活失敗、そして力の大会のあとでドラゴンボールが回復した時期…まともに数えてないが3年くらい経過してたかもしれん…
3年経ってるとするとパンがだいたい2歳くらいか…原作最終話のパンが4歳で、いろんな整合性がだいぶ厳しいが、いまさらである。
旧ブロがそうであったように、厳しいように見えてもだいたいあってりゃ十分であるという考え方を適用しよう。

ところで神と神のブルマ38歳が正確だとすると、ビルス様がフリーザに惑星ベジータ破壊命令を出したのが神と神の39年以上前なので、ブルマの生まれる一年前ということになる。『ブロリー』から見ると42年前で、ベジータがカプセルに入ってたところよりちょっと前だ。
それだと今回の映画だとまだコルド軍だが…フリーザが継ぐことを知っててビルス様が既に目をつけてたんだろうか。

ブロリー』は『ドラゴンボール超』の映画なので、『神と神』とは整合性が取れてなくてもいい気もするが、だいたいというレベルでは合ってる気もする。少なくともブルマさんの年齢については『神と神』『銀河パトロールジャコ』『ブロリー』という3つの媒体を複合すると比較的整合性が取れている。ちゃんと考えて変更してるのか考えないで直感でやってるのか、判断が難しい。
だが旧年表はもうダメだと思う。原作に合わせない年表が作られる時期が来たのかもしれない。

ドラゴンボール超』だと漫画でもアニメでも幼年ベジータに前髪があるが、今回の映画でまた『神と神』『銀河パトロールジャコ』に準じたMハゲになっていた。だがそのくらい変化しても大勢に影響はないのだ。むしろこんな細かいアップデートはまだ続いているのだと好意的に受け止めるべき話なのである。
ブロリー、見に行きましょう。