神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

32年目のバーザム

HGUCバーザムが来年発売されると発表されたのが11月のことだった。
そこまで驚きはない。2014年発送のROBOT魂から始まる商品化ラッシュの行く先にそのうち来ることは予想できた。
バーザムがテレビに出たのが85年11月らしいから、それから31年か。
まあそういうロボットもありますよ。

かなり最初から思っていたのが、バーザムは本当に不人気MSだったのか?ということだ。
数年前までバーザムの商品化回数は確かに少なかった…しかしそれは商品が売れるのかどうかそもそもわかってないということである。
gundam.infoでやったアンケートあたりから割かしネタ人気で盛り上がってきたことは確かなのだが、ここ数年の商品化ラッシュで思うのはそういうのではなく、元から普通に需要のあるモビルスーツだったんじゃないかという疑念である。

振り返ると僕はZガンダムをリアルタイムで見ていない。最初にガンダムに触れたタイミングはガシャポンのどれかだった気がするしファーストの再放送だったかもしれない。
とりあえずスクランブルウォーズが好きだったからカプセル戦記も当然やっていて、そこにバーザムはいた。

カプセル戦記
89年。逆襲のシャアモビルスーツが早くも参戦している中に、バーザムも前作から追加された。
なんでいたんだろう。
このゲームにはジムもガンキャノンハイザックもいないのにバーザムはいた。いやガンキャノンがいないのはわかる。このゲームの設計でガンキャノンのキャノンを表現するの難しいしサーベルも持ってないからね。
ザクとかぶってそうで使い分けが難しそうなハイザックよりもマラサイが選ばれたのも何となくわかる。ジム…ジム何でいないんだろう。ジムは英雄戦記にもいなかった。
マラサイとバーザムの性能差がバルカンの弾数だけというのもどうなんだ。この2体どっちか削ってもいいんじゃねえかと思う。
でもバーザムの個性的な外見はこのゲームでなかなかの存在感はあった。この後のSDガンダム関係タイトルにも結構な頻度で出ていたはずである。
ゲーマルクガルバルディβと比べても出てたくらいじゃなかろうか。

90年代のバーザム
僕はそんなにガンダムに特化してた人ではないので、90年代のガンダム・センチネルあたりの空気はあまり知らない。だからバーザムがリファインされていたことを知ったのもだいぶ後だ。僕が知ったときにはそれはもう「バーザム改」と呼ばれていた。
バーザムが真っ先にリファイン対象に選ばれたのは、そりゃあデザインが浮いてたから?
それともセンチネルにMk-2系ガンダムが出てなかったから揃えた?
不人気だからテコ入れしたというわけではない気がする。
「リファイン版バーザム」は、Sガンダムらセンチネル主力勢と違いゲームなりガシャポンなりでSD化されていた様子はないので、センチネル読んでない僕が目にすることはなかった。それはゼク・アインとかも同じなので、優先順位の問題か、やっぱりセンチネルだからめんどくさいと思われてたのか。

そんなことがあった間もゲームで特にバーザムが冷遇されることも優遇されることもなく、商品化も特にされなかった。バーザムだからというより、Zガンダム登場モビルスーツがこのタイミングで商品化されることなどなかったからだ。
そういう事情を忘れてはならない。本当の意味でバーザムが不遇と言えるのはガザCやジ・オがプラモ化されるようになる2000年台以降なんである。そこまではジ・オだって同じよ!

データコレクション
98年。とりあえず個人的にバーザムがガンダムMk-2関係機だと知ったのは多分このへんだ。
この頃からガンダム熱心に追い始めたのだが、カプセル戦記からずっと頭に残っていたバーザムの由来はここで知ったのだと思う。
全体的には似てないけど類似パーツもあったわけで、バーザムはMk-2にあまり似てない量産機という説明で納得した。
僕自身のバーザム観は根本的にはここで終わっている。
しかし実際これより古い本でテレビ版バーザムMk-2説を取っているものはかなり限られているようだ。

00年台のバーザム
GFFのバーザム改が2003年1月発売。第2次スーパーロボット大戦αが2003年3月。
バーザム改を知ったのはこのタイミングだったか…たぶんセンチネルをムック読まず小説だけ読んだのはその前だったはず…
僕はバーザム専門家ではないので、スパロボに出てるのがセンチネルバーザムだということに気づいたのはだいぶ後だ。
そしてバーザム改はかっこいいと思った。

新訳Zの頃
05年あたり。バーザム研究サイトが複数現れるのはこの頃のようだ。
この記事はそういうところに触れようと思っている。愚痴である。

「バーザムがMk-2」という設定が後付けであることは薄々わかっていたことではあり、その証拠を探そうとする気持ちもわかったのではあるが、その後付けを悪いことと決めてしまう必要はなかった。だってそれじゃセンチネル叩きのダシにバーザムを使ってるだけじゃないか。
センチネルのやり口が気に入らないとか考える前に僕はバーザムはMk-2で納得していたし、バーザムをMk-2としたのはセンチネルの後付けではないことも再確認されていた。

研究の果てに、結局これが後付けであることを示す明確な証拠は見つからなかった。僕の知る限り今も出てきていない。

デザイン経緯を特定しにいく必要はない
岡本英郎氏が世に出た以上のことを語らないスタンスのようなのでで、それを尊重して本人に聞きに行ったりしなかったのであるが、もしそれが後付けだと岡本氏が言い出しても今の設定を変えるということにはならないのは言うまでもない。
というか「そんなん知ってた」と言う人が大半な気がする。
岡本氏が「その後付けは私の関与したものではなく許しがたいものでもあった」と言えば別だが…言うかなあ
逆に聞くが後付けじゃないと言われたらどうするんだ?「こんなのMk2に似てねーし後付けに決まってる」と弾劾してたあなた方は謝罪する用意があるのかということを聞きたい。

いやそれより、建機ザムはモロにガンダムMk-2ベースであることが最近確認されたわけだが、「AOZではMk-2と関係ないから勘違いしないでくれる?」みたいに言ってた人は謝罪したか?

僕もAOZについては系譜として少し変わったのかな?と勘違いしていた。だから僕は謝ってないことに気づいたのでこの記事で謝る。大変申し訳なかった。
AOZのバーザムがガンダムMk-2の系譜と若干遠ざかっているという個人的見解は全くの的外れであり、確証を得ていなかったにもかかわらずそのことを一部で広めることに多少なりとも関与したことを謝罪します。
するべきだ。
からしてくれ。
「唯一の最新公式設定のAOZではMk-2と関係ないのに勘違いすんなバカ」と関係ない人を叩いてた人たち。
少しでもそういう行為が申し訳ない気持ちがあるなら謝れよ。
本当にいたんだよ、こういう人たちが。
普通なら設定の間違いくらいで謝れなんて僕も言いませんよ。でもあの人たちは関係ない人を実際に叩いてた。ひどい話だ。
謝る気がないなら「AOZは俺らのバーザム観を裏切った。藤岡建機を潰す…!」とならなきゃ大ウソだ。

話がそれた。

80年代に戻る
「バーザムはガンダムMk-2」という設定は、放送当時に連載されていた近藤和久のコミカライズ版Zガンダムが最初に世に出したものだと考えられている。真面目に研究してた人たちがそう結論づけてるんだから、そうなんだろう。
グレートメカニクスのインタビューによると、近藤和久自身も、この設定は自分が考えて世に出したものだと認識している。近藤先生のもとにはバーザムの設定画は届いていただろうが、少なくともMk-2設定は伝えられていなかった。

では近藤和久の後付けなのか?
それはわからない。近藤先生がそう思ってるだけで、実際はもともとそうだったのかもしれない。

この後に「PROJECT Z」でバーザムはガンダムMk-2と結び付けられているが、それが近藤和久の漫画からの影響なのか、まったく別の経緯なのか、それも確かめられていない。
近藤バーザムは確かにデザインにMk-2要素はあるものの、その設定が文章化されたのはだいぶ後だ。だから当時漫画を読んでいてもバーザムのデザイン変化は見逃してしまったかもしれない。
そのようなわけで、PROJECT Zが近藤漫画から影響を受けたかどうかについては、個人的には可能性はあまり高くないと考えている。

PROJECT Z、MISSION ZZとモデグラ系の設定でバーザムはMk-2系となっていったが、他社の設定資料はデータコレクションまでこれを記載してこなかったようである。なのにモデグラ自身がこの設定に疑問を抱いて、リファインバーザムをデザインすることになる。
ということはMk-2設定はやっぱりモデグラが考えたものじゃないんだろうか。それとも自分のところで考えた設定だということに気づいていなかったのだろうか?
それは今もわからないことだ。最初に文章で世に出したのはおそらくモデグラなのであるが…

新訳Zの後
99年にHGUCが始まったときはいきなりザクIII改なんてのが来て、バーザムみたいなのも近いうちに普通に来るだろうと考えられていたが、実際HGUCの半分以上は再キット化で、何かきっかけがなければ全くの新アイテムは厳しかった。
僕はザクIII改なんて本当に知らなかった。スパロボあんまりやってないので。いやマシュマーカスタムって名前はどこかで聞き覚えがあるような…

新訳Zが終わってもバーザムは商品化されず、出番も増えず、ガザCなどの不遇機はしばらくして商品化されたが、バーザムはされなかった。本当に不遇と言えるのはここからである。これより前はガザCと同じ枠であり、特段不遇ではなかったはずだ。

これも書いておくべきだと思うので書くが、バーザムがネタキャラだとみなされたのは一連のコラ画像の影響であると断定していいだろう。
新訳前くらいから始まったあの一連のコラ画像の大半が一人の手で作られていたことも、その当人がもう何年も前にコラ作成を封印した経緯も、それを今あえて蒸し返すメリットがないことも、そして「コラの件で当人は掲示板を追い出された」などと事実と異なる経緯を広めてる人間がいることも承知で書くのですが、やはり一連のコラ画像群は重大な影響があったと僕は考えているのです。

バーザムのコラ画像は、本当にバーザムが好きな人が作成していたものだった。それで不遇な現状を嘆くというストーリー性があって頭に入りやすいのだけど、問題がいくつかあって、簡単に言うと作ってる人が有能すぎた
いちいちストーリー性があってコラだとわからないほどのレベルでやられてる仕事を、あれだけ大量に送り出せば有名になって当たり前だ。ニヤコラみたいな意味わからん画像と違って、外でも意味わかるもん。
まして商品化されてない年数が20年を越えたとか、バーザムに有名パイロットが一人もいないとか、そんな細かいこと言われなきゃ意識もしなかったというのが正直なところだ。そういう重要な研究をコラ画像というジャンルでやってしまった。
その結果いかに不遇かという部分の研究が進んでしまい、それが「不人気」というイメージに転じてしまったんじゃないかとちょっと思ってる。
もっとも…最初から不人気メカと思ってた人もいるはずなので、全部がこれ原因というわけではないのだけど。
本当に蒸し返すようで申し訳ないのだが、コラ画像がもたらしたのは悪影響ばかりだったとは考えていない。あれらが話題と知識を提供した流れは確かにいま残っている。それは悪かったことばかりではないと僕は思っている。
著作権的にアウト?
はい…

建機ザムが出てくる
07年に出た建機ザムについても、割とコラ画像とか画像掲示板周辺から宣伝されてたんじゃないかと思うのは、建機ザムの載った本がめちゃくちゃ少ないからである。リブート始まる前に設定画が載ってたのは当時の雑誌とムックvol5(レア本。こないだ手に入れた)しかないはずであり、漫画にもちょっと出たがすごい活躍したわけじゃない。話題にできるほど有名なはずがないのだ。
でもそれなりに有名なバリエーションとなった。リブート始まるより前に商品化されてる。

建機ザムはバリエーション機ではないと考える人もいた。藤岡建機はAOZでマラサイアッシマーも描きなおしている。少々のデザインの違いならバリエーションとみなすべきではないと。
しかし建機バーザムに限ってはただの描き直しではなく、オリジナルのバーザムと違いが多い。
そしてこの胴体がカトキ版ベースであることに気づいた僕はこれをバリエーション機のつもりで描いてると断定することにした。おそらく藤岡建機はカトキザムとの共存を肯定する気なのだと。
だけどそれは僕の勝手な予想に過ぎなかったし、比べる以前に胴体のデザインがテレビ版と全然違うことにすら気付いてない人も多いのが現状だ。
そして建機ザムはヘイズル系の機体であると考えられた。だからMk-II系列の設定は消えたのではないかと考える人もいた。けど胴体がカトキザムだからやっぱりMk-II系なんじゃないの?
この判断が正しいのか間違ってるのかは9年後のRebootに続く。

他にはアートディンクガンダムゲーでバーザム改が「バーザム」名義で出たりして、こっちが「正しいバーザム」だとして広めたがってる勢力がいるんじゃないかとピリピリしてはいた。
股間の解釈問題が話題になるのは09年あたりか。これも最初に話題になったのは画像掲示板周辺のようだが正確なところは不明。
2010年のSDガンダムバインドでは平面タイプで商品化されたので、そういう情報はいち早く伝わっていたようである。

2010年代突入
バーザム屋としての神殿岸が出現したきっかけは何だったかな…
ニコ大に書き始めて一部に名前を知られたのは2011年4月だ。5年以上前か。
個人的にバーザムについて積み上げ始めたのはもうちょっと前。twitter始めたのはニコ大よりちょっと後だ。
バーザムの話面白いなって思って何か動き始めたらしい。そのうえで、よその研究サイトへの違和感があったから内容は一部参考にしてるが決して合わせない。
そうそう最初はバーザム改がバリエーション機という設定がいつの間にかできてるんだと思ってた。まさかWikipediaに4年も前から丸ごと捏造設定が書いてあるとか思ってなかったし、その時点でもうガンダムウォーWikipediaそっくりな設定が写されてて勝手にバリエーション機になってたこともだいぶ後で知った。
ガンダムウォーの設定はどうもWikipedia由来の可能性が高い。Wikipediaの設定は同人誌かネットの考察の複合じゃないかと思うが詳しい経緯はわからない、確かめたくもない。
その手の考察をしてた人たちは自説がWikipediaに行ってしまっても何とかしようということはしない。

僕も考え違いをしていたが、バーザム改がバリエーションであってまずいわけではないのだ。文句があるのは、適当に作った設定でバーザム改をバリエーションにすんなよとか、こっちが正史みたいな扱いするんじゃねえよということであるのだが、新しく設定考えてバーザム改と素バーザムが共存する設定にするのは楽しいじゃん?

しかし公式サイドにバーザム改の設定をまじめに作ったものはいなかった。あったのは非公式スレスレの媒体で、どこかの考察をパクったような設定だけだ。
データガンダムには「ペズン・バーザム」の記述、なんだそれ?
バーザム改じゃまずいのか?
工廠が違う程度であんなに違う機体になるんだったら、もっと根本的に設定から作りなおさなきゃいけないんじゃない?
なんであの手の俺設定はAOZのほうの系譜を無視してる?デザインが違うことに気づいてなかったからかな…

ガンダムエースの話をする。
この雑誌、数年前までまったくバーザムが出てこなかったのだ。
もちろんグリプス戦役の後半以降を舞台にした漫画が多くないという事情もあるんだが…でもちょっとはあったよね?
なんかダムエーにバーザムは出てこない。数年前、ガンダムUCのep4が出る頃まで。
自分が知ってるのはZガンダム1/2と新訳Zのコミカライズ3巻だけだな…どっちもちょっとモブで出ただけで、ダムエー本誌掲載じゃないんだが。
他では「ちょっとモブで出る」程度のことさえなかった。

ガンダムエースという雑誌は作者や編集者とは別に、いろんな漫画で設定をまとめて担当してる人がいるのだが、幾つかの漫画では登場メカも具体的にその人が指定していたことがわかっている。だからその人の趣味なのかやたらマイナーな機体が出てきたりするんだけど、つまりその人が自分の好みでメカ出してたんじゃね?って思うところもある。
その人が素バーザム嫌いだった。そういうことと違うか。
この疑念は個人的にそこそこ信じてよいものだと思っているので、そのうち別の記事に書こうと思ってる…

ガンダムエースとセンチネルとバーザム改
ダムエーは何でバーザムを出さないんだろうと考えていた2011年11月のこと。「星月の欠片」というUC外伝にバーザム改が出てきた。作者の森田先生は語る。

このとき某所で怒っていたのは僕なのであるが、「某所」というのが森田先生の見た某所と同じなのかは僕にも誰にもわからない。
そしてこう続く。

そういうわけで、別に森田先生や関西さんは素バーザムを消し去る意図はなかったのだが、僕はダムエーはそういうことをやる雑誌だと思っていたので怒ってたのである。
誤解してごめんなさい。某所で怒ってたのが僕だったのかどうかわかりませんが…

関西さんという人はUCのアニメをやり始めた頃からガンダムエースで名前を見かけるようになった人で(でもサンライズの人だっけ?)、この人が来たから何か変わったんじゃない?というのが僕の見方である。
このときの森田先生の話が影響したのかは知らないが、しばらく後にストーリーがつながってる「『袖付き』の機付長は詩詠う」という漫画にテレビ版バーザムも出た。これで現ダムエー設定担当はだいたいバーザムとバーザム改の共存路線を持っていることがわかったのである。
ただ、バーザム改がテレビ版に対するどういうメカという認識でいるのか、それは今もわからない…

バーザム改の登場にはもうひとつ気になることがある。それまでのダムエーはセンチネル機を出す気がないように見えたことだ。
今ではゼータプラスなど普通に出てくるようになり、ガンダム・センチネルの版権問題なんてなかったという見方が優勢だが、少なくともこの頃は違った。急に変わったのはこのバーザム改が出た時期からだ。
微妙に出しづらいバーザムに比べればヌーベルやゼータプラスなどどこでも出せるし、あからさまにMk-Vなシルヴァ・バレトの設定でMk-Vのことに全く触れていなかったり。Zガンダム1/2など「カラバ時代のアムロ機多すぎ問題」の指摘でゼータプラスでなくディジェSE-Rを描くという暴挙。そいつアムロ機じゃねえよ!?
権利的問題があったのかどうかは定かでないが、ダムエーがセンチネル機を避けてたように見えるのは事実だ。実際には問題がなくても避けていたと。
ここ数年でダムエーもセンチネル機が登場するようになったが、その最初のところにいたのは僕の見た範囲ではバーザム改だ。設定担当の変化も関係しているのかもしれない。
まぁ憶測だしちゃんと調査もしてないので、はっきりしたことは言わない。

もうひとつある。「バーザムを出すと話題になる」と公式サイドが認識し始めたターニングポイントも、たぶんここだった。

gundam.infoの投票
「Q.ガンダムUC episode 4 BD&DVD発売開始!今後ガンダムUCでゲストメカとして登場してほしいMS・MAは?」はバーザムが1位!【2011年12月5日~2011年12月11日】
ゼータプラス以上だぞ?!
これは組織票があったわけじゃないことは確認している。ただ選挙活動のようなものは行われていて、後半からバーザムの追い上げがすごかったのも確かだ。
まあどうせ1位取れるほど人気もないネタ枠だと思ってたのか、1位取ったバーザムには雑なコメントがついてるだけだが…
ここのアンケートは本当にひどいのが多いのだが、これ以上何か言うのはやめておく。

AOZ2でバーザムが出しゃばる
「刻に抗いし者」地上編でバーザムが出たのはその前だが、この2012年ごろに宇宙編に入って正式配備されたところからやたら活躍し始める。
細かい活躍や作者がバーザムのプラモ欲しがってたあとがきとかは別の記事で書いたので省略するが、本作に参加したメカデザイナー片貝文洋氏は

こんなことをおっしゃってる。片貝氏自身はバーザムに特にタッチしてないけど、それでも何か伝わってきたということであろうか。
……バーザムってマジで人気あるんじゃない?

2013年7月。ガシャポン戦士NEXT プレミア02になぜかバーザム(建機ザム)が入っていることが発表される。
上でも書いたが、建機ザムはほとんど表に出ていない機体だった。それにAOZ内でも特に目立って活躍しているわけではない。それをAOZ特集とはいえラインナップしてしまっていいのか?
結果的にはたぶん良かった。

2013年8月。ROBOT魂バーザムが突然発表される。関係者動揺。
9月には股間が2種類つくことも発表される。

2013年10月。コンバージのバーザムの情報が出る。絶え間なくバーザムだった。
もうこの時点で普通に人気MSだと思ってるんじゃない?

2014年1月。ROBOT魂が届いたころ、「アクロス・ザ・スカイ」にバーザムとバーザム改が両方同時に出た。これでようやく同一世界線で同時に存在できることが確認できた。そういうことを行った媒体は初めてだったはずだ。
ちなみにこのバーザム改は鹵獲され、星月の欠片に出て壊された個体になるっぽい。ヌーベルGMIIIと何か対比された説明が入るんだけど、開発系譜が近い想定なのか、同じセンチネル出身だということを意味するメタ的な発言なのか、やっぱり想定がどのへんなのかはよくわからない。バーザム改という名前も出たわけではない。

その後は、ビルドファイターズに出たり、トライに出たり、バーザム改が商品化されたり。
話は前後するが、岡本英郎氏がツイッターに現れて少しだけ過去の話を語ったりもした。
股間パーツのデザイナー正式見解と思われる「エネルギーチューブ接続」が判明したのは2015年12月。

だが激震走ったのは2016年5月に投下されたA.O.Z Re-Bootの設定だ。
9年間謎だった建機ザムに突如として与えられた、絶句するほど大量の設定。そして無料公開なのでAOZをそれほど追ってない人たちもみんな読んだ。
率直に言うが、この設定書いた人はなんでこんなにバーザムのことが好きなのかということだ。
読者はドン引きするか、バーザムすげえとなるか。とにかく反響は大きかった。
結局A.O.Z Re-Bootでは7月まで全4回に渡ってバーザムにまつわる怪文書を公開し続けた。たぶん反響の大きさと関係なく4回分用意してた。

8月のビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズでは股間部にエネルギーチューブを接続するバーザムが登場。そういう情報の反映も本当に早い。早すぎるんじゃね?
やつらは出せる機会があればバーザム出そうと、虎視眈々と狙っているんだ。
もはやバーザムがネタ扱いされたのは過去の話であり、すっかり人気モビルスーツとして定着していた。プラモがないだけで。

そんなわけで11月、HGUCバーザムが発表されたときも、個人的にはそろそろ来ると思っていたという程度であり、そんなに驚きはなかったのである。
いや目玉商品みたいに豪華な展示で発表されてるのはちょっと驚いたかも。

いまバーザムはどんなモビルスーツ
普通に人気モビルスーツなんじゃないですかね?
いやぁ、そんなメチャクチャプラモが売れるほどとも思ってないけど…
それなりに売れると見込んでるから、特にアニメ登場とかのないタイミングで商品化できるんでしょう。
というかバイアラン先に出してよ金型流用効くしー

これはバーザムにとっての終わりではないし、始まりでもない。
通過点でもない。普通にそういう現象が起きただけだと言おうか。
これからバーザムはプラモデルになって気軽にイオンとかでも買えるようになり、マニアックな話なんかしなくてもバーザムに興味のある人は気軽に買っていく。
今まではそういう状況じゃなかったから怨念が深まって設定の話ばかりしなきゃらなかった。これからは細かい設定の話なんかしなくていい。細かい設定はAOZで全部やっちゃったしな…
そのへんにプラモ売ってる状態で「バーザムはマニア専用機」みたいな排他的なこと言い出す人はまさかいないだろう。買っても白い目で見られることもない。マニア機じゃないしウケ狙いで買われるわけでもない。
平凡な量産機であるバーザムに平凡な商品化以上の立ち位置が求められる必要はない。
そう信じていたい。