神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

ウィザードリィ 旧呪文名の権利の考察

Wizardry Variants Daphneでは、呪文名はこんなふうになってる。

知らない呪文もかなり増えてるけど、ディオスやラツモフィスなどの旧シリーズの魔法が普通に使われてます。

もともとウィザードリィは独特な呪文名(カティノ=敵を眠らせる)が使われていたが、これはウィザードリィ6以降変更され、「スリープ」「ファイアボール」といった普通の英語に変更されたのは周知の通りである。

その後、日本展開では旧呪文名の使用は基本的には避けられていた。それで、この「旧呪文名の使用権」は、どうやら日本企業の持っている版権には含まれていないと、長いこと考えられていた。

この呪文名をめぐる重要な動きとして、2022年に小説『ブレイド&バスタード』で旧呪文名が使われたということがあった。
本作はドリコムから出版され、ウィザードリィのタイトルを冠しているが、ドリコムが持たないウィザードリィ1から5の権利は表記されていない。
つまり、呪文名の使用の問題は解決したのでは、いやゲームじゃなくて小説だから権利が違うのかも、など憶測を生んだが。

ウィザードリィダフネもタイトル画面に「© Drecom Co.,Ltd.」しか書かれておらず、「1から5の著作権」が関わるタイトルではない。ドリコムの権利だけで作られている。
どうやらドリコムが旧呪文名を使うのは問題なくなったようだ。
なくなった?
まず本当に問題なんてあったのか?

現在、ドリコムが旧呪文名を使用していることに問題があるとは考えられません。
今回のお話の結論はこれで終わりです。
これでは終わってない、もっと情報がほしいという方のために、下に情報を用意しました。
しかし以前書いた記事と比べて憶測も多くなっています。責任はご自分でお取りください。

版権の前提を再確認

以下の記事に書いた内容を繰り返しますが、

ウィザードリィに関する権利は、現在2社に分かれて所有されている。
ウィザードリィ」のタイトルその他の権利と、Wizardry6から8の著作権は、2020年以降は日本のドリコムが持っている。
ドリコムは「Wizardry1から5の著作権」は持っていない。この権利を現在持っているのは「SirTech Entertainment Corp.」(サーテック)。
(また今年になって関連企業と思われる「FRPG Corporation」という名前も発見されているが、今回の記事ではあまり関係ないので気にしないことにする)

「5までの独特な呪文名の使用権」は、現在日本企業が持っていない権利に含まれているのではないかと、従来は考えられていた。
旧版権の所有者と連絡が途絶えていた過去は、一部の例外を除いてこの呪文名を使用することはできなかった、と思われていた。

この解釈が間違いだったというのが、現在の私の見立てである。すなわち「旧呪文名の権利が存在する」という考え自体が間違っていたのではないかと。
だからダフネではドリコムの権利だけで問題なく作れている。そういうことではないでしょうか。

その見立てで軽く調べ始めたところで、権利表記にとんでもない見逃しがあったことに気づいてしまったのだが…
まあ呪文名に関わる部分だけ考えていきましょうか。

ドリコムとサーテックの関係

現在ドリコムは1から5の権利者である新サーテックとは友好的な関係に見える。しかしダフネには1から5の版権は関わっておらず、ストーリーのつながりも一切ない。
つまり、「1から5の著作権」というのはストーリーその他の要素、旧作の移植やリメイクを作るために使う権利であり、呪文名や細かい固有名詞にまでは及んでいないのではないか。
サーテック側から呪文名の権利だけが譲渡されたという話は伝わっていないし、そういう半端な譲渡がされたと考える理由がない。
タイトル画面の表記通り、ドリコムの持ってる権利だけで足りている可能性がきわめて高い。

だが、どこまでが使える権利でどこまでがダメなのか、ドリコムはサーテックに確認できる立場にあるはずだ。だから使用に問題ないことを確認した上で使ってる状態なのではないかと。
すなわち、呪文名の使用だけなら権利表記の必要もないと考えられるが、表記が必要ない形での何らかの合意もされている可能性はある。
なおリメイクを作り始めたタイミングは推定2021年ごろ。その頃にドリコムとサーテックは接点を持っていたはずで、権利の及ぶ範囲についても再確認した可能性は大。ブレイド&バスタードはたまたまその後に発表できたのだとも想像できる。

旧サーテック時代のこと

時は戻り90年代の話。まだ最初の販売元の旧サーテック社が存在していた頃だ。
ウィザードリィ1から5の移植と、アスキーウィザードリィ外伝シリーズ(外伝1から4とDIMGUIL)では旧呪文名を使っていた。
対して、99年以降に登場したウィザードリィエンパイアなどの日本独自展開のウィザードリィは、アスキーの外伝シリーズを除いて旧呪文名を使っていなかった。(PS版エンパイアはカティノを「カティドレイ」というふうに似た名前でごまかしていた)

とりあえず手元にあったPSの『ウィザードリィ エンパイア ~古の王女~』(2000年)の権利表記。ベスト盤なので2001になってる。
なんか長々と書いてあるが、要はエンパイアは「Wizardryの権利」だけしか表記されていない。ウィザードリィには「1から5」だけでなく、「6や7のシナリオの著作権」も別にあるのだが、本作にはいずれも無関係。
エンパイアは「タイトルの権利のみで旧ウィザードリィらしいゲームを作った」という理解でいいと思う。
この中の「1259190 Ontario」というのは、あからさまに変な名前だが、サーテックの関連会社…みたいなもん。今回はサーテックそのものだと思っておいていい。
で、1259190 Ontarioからライセンスを受けた「Four Winds」を介してスターフィッシュにサブライセンスがおろされている。この時期のウィザードリィの日本展開には、Four Winds(フォーウィンズ)という日本の会社が間に入っているものがあり、サターン版6&7やウィザードリィエクスなどにも記載されていたようだ。

いっぽう、アスキーの本編シリーズ、たとえばGBC版の1(2001年)ならこう。

長い、GBCの小さな箱の側面にびっしり書かれているが、どうやら難しいことは書いてない。
Proving Grounds of The Mad Overlord(狂王の試練場)の著作権はアンドリュー・グリーンバーグとサーテックにある。
WIZARDRYの商標は1259190 Ontarioにある。
また「Copyrighted Program」とあるが、どうも1のプログラム自体の権利がサーテックにあるのかな?それがアスキーにライセンスされ、ファミコン用に提供された。
ファミコン版の翻訳物の権利はゲームスタジオにある、とも書いてあるようだ。
そしてまたプログラムはローカスにライセンスされ、ゲームボーイカラー用に提供された。
最後にGung-Ho!(GBC版の開発元で、パズドラガンホー社とは別)がGBC版のプログラムを書いた、と。

ともかく、1の移植なのだから、当時アンドリューとサーテックが共同で持っていた扱いと思われる「1の著作権」が当然使われている。
エンパイアとGBC版1の権利を比べると、「WIZARDRY」と「Wizardry」で権利は違うのか、1259190 Ontarioとサーテックで分担が違うのはなぜなのか、フォーウィンズが入ってるとどう違うのか、
不明点はいくつかあるものの、エンパイアとGBC版の重要な違いは「1から5の著作権」が使われているか、だけであろう。
呪文名はたぶんこの「1の著作権」に含まれてるのだ、そのように思ってしまうのはまあ自然ではあった、かも…

呪文名の権利いらない疑惑

…気になって。念のため。持ってないけどヤフオクなどに出ているWizardry dimguil(2000年)のパッケージを確認させてもらったが。
ディンギル著作権表記は以下のようになってるようだ。

>Copyright ©1998-2000 by 1259190 Ontario, Inc. All rights reserved
Wizardry is a registered trademark of 1259190 Ontario, Inc. All rights reserved
Wizardry is a series of copyrighted programs licensed to ASCII Corporation. Modifications for the Playstation format "DIMGUIL"
>Copyright ©1998-2000 by ASCII Corporation. All rights reserved.

旧呪文名を使用しているDIMGUILに、1から5の著作権は使われていない。少なくともそのような表記は無い。
エンパイアと比較すると、プログラムの権利が使われているのと、間にフォーウィンズが入ってないという違いはある。だがそれだけだ。
こうなってるのはディンギルだけではなく、外伝1から4までずっとそうであることが今回の調べでわかった。外伝1のみ、発売時期の関係かロバート・ウッドヘッドとアンドリュー・グリーンバーグの名前が記載されているが、5までの著作権を外伝1に使ったという確認は取れない。
これは素で気づいてなかったですね…

つまり、エンパイアは「タイトルの権利のみで旧ウィザードリィらしいゲームを作った」という理解をしたが、外伝も同じだったんじゃないだろうか?
違うのはアスキーは原作のプログラムの権利を使っているから「らしいゲーム」じゃなくて全く同じプログラムで動いてても大丈夫そうなことだが、呪文名の権利はどうも「1から5の著作権」には含まれていなかった可能性が高い。91年の外伝1から、ずっと。

この件、アスキーが何かを踏み越えていたとはさすがに考えにくい。
旧「ウィザードリィ外伝」は10年近く展開されたシリーズで、90年代後半に復刻もされてるし、その後アスキーGBC版まで版権をしっかり明記して作ってた。そこを誰も確認してないとは考えられない。
やはり呪文名の使用は「1から5の著作権」に含まれない。その裏付けとして、外伝1からディンギルの版権表記がある。
アスキーはその認識でやってたはずである。

呪文名に著作権はあるのか

創作物のキャラクターの名前のみでは著作権は認められない、みたいな判例はあるようですが、こうした事例がウィザードリィの例にあてはまるのかはわからない。
商標登録されていれば別だが、まずアンドリューおよびサーテックが魔法ひとつひとつを商標として登録してたということはない、と思う。

とりあえず、許されてる事例として「ドラクエじゃないのにホイミが使えるゲーム」なら知ってる。
スクウェアルドラの秘宝。本作は魔法の名前をプレイヤーが決めると効果が自動で決まる「言霊」というシステムを採用している。
この言霊はドラクエの魔法が一部対応しており、明らかに意図的にホイミメガンテが有効になっていた。

ホイミドラクエ以外で出すくらいならセーフなのか?
ルドラの秘宝の事例は以下のような事情も考えるべきだろう。

  • スクウェアドラクエ言霊の使用を推奨していたわけではない。公式な情報では全く公表していなかった(はず)
  • 当時のドラクエの呪文全てに対応しているわけではない。
  • 対応している呪文の回復量や消費MPなども完全一致するわけではない。
  • ホイミに対応するプログラムを作ったのはスクウェアだが、あくまで呪文名を作るのはユーザー側である。
  • このゲームシステムでホイミを試すプレイヤーが大量にいることは事前に予想される。

また当時のスクウェアエニックス、そして堀井雄二の関係は良好だったはずで、裏で許可を取ってる可能性も…あるかどうかはわからないが。

常識的に考えて、ホイミが使えるくらいはパロディやオマージュの範囲だろう。ホイミ著作権が認められるのかは不明だけど、あったとしても、ルドラくらいなら許されてる引用の範疇で済む気がする。ロトの墓や「ふなのりのほね」が出てくるゲームと同じレベル。

ルドラの例であれば、仮にもっと悪質に「当時のドラクエの呪文全部に対応!」などしていたら、またそれを発売前から売り出してなどいたら、問題は生じると思う。
ルドラの秘宝』がドラクエの関連作品だとユーザーに誤認させたりしたら、呪文名だけで済む問題ではなくなってくる。
それから権利的にセーフでも、あまりにもドラクエ呪文率が高すぎるとパクリゲーとしてユーザーの印象が悪くなるということはありえる。
そこまではしてないから、ルドラのホイミは笑い話として許されるわけである。

ウィザードリィの場合は?
カティノに著作権はあるのか?
「旧呪文名を使うことで、ウィザードリィ旧版権を使ってるゲームだと誤認させる」ということは、困ったことにありえるのだが…
ウィザードリィウィザードリィと誤認させるってどんな状況だという疑問もある。そのくらい、ええんとちゃうか…?

ではなぜエンパイアは呪文名の使用を回避したのか?
常識的に考えて、5までの権利がないことはスターフィッシュなどは知っていただろう。言われてなくても5までの固有名詞を避けるのは別に不自然なことではない。
あるいはアスキー作品と別シリーズであることを強調する意図があって、あえて遠慮して使わなかったのかも。
…まあ、派生ウィザードリィの中でも特に『古の王女』はそういう遠慮はしてないタイトルな気はしますが、その件は今回は言わないことにする。

ドリコムは許されてると考える

ダフネで旧呪文名が許されているのは、やはり「呪文名の著作権」それ自体が最初から無かったのではないか、と私は想像しています。

しかし、この想像が間違いで仮に「呪文名の著作権」が本当に存在したと仮定した場合は、逆にその権利はドリコム側の持っているウィザードリィの権利の中にあるのでしょう。
だとすれば他社のゲームでカティノは出せないが、ドリコムの関わるウィザードリィでは問題なく出せる。
そして、外伝シリーズを見るに、この権利の所在はたぶんドリコムに移るより前、旧サーテックが健在だった頃からずっとその形だった。

では、現に呪文名が長いこと使えなかった理由はなんだろう。
エンパイア以降の一連の作品が影響して、どこかで「旧呪文名には問題がある」と誤認が起きたのではないか。
または、著作権的には大丈夫そうでも(アスキー以外では)使わないでくれという、強制力の低いお願いがあった可能性は否定はできない。著作権とは別に、「権利者が嫌がってるみたいだからやらない」は遠慮する理由としては十分成立する。
だとしたら今許されてるのは何なんだということだが、旧サーテックと新サーテックは同じような会社ではあるが、20年の間に気持ちが変わっていても別に不思議はないわけで。

リスクの問題はある。既に法的にセーフと線引きがされている事例でも、訴訟は起こせる。
セーフなつもりでドラクエの呪文を出したゲームがあったとして、万が一エニックスなどに訴えられたりしたら。
法廷で負けたらまずいのはもちろん、勝てたとしても無駄に喧嘩売ったやつとして、これまたユーザー側に悪いイメージのほうが残ることもあるかもしれませんし、単に裁判やるのはめんどくさいというのもあるだろう。
ウィザードリィ1から5の権利者がどこにいたかは知らなくても、どこかにいることは確かだった。「少々使っても合法だけど使わない」という考えも別に不自然なことではないと思います。

この呪文名の件、実は問題などなくても単に遠慮していただけという可能性もあるが、日本とサーテックで長いこと連絡が取れてなかったこと、「問題がどこにあるかを確認してこなかった」こそが問題の本質であろうと私は思うわけです。
ドリコムはその問題を権利のやり取りではなく、話し合いだけで綺麗に解決したのだというのが、私の想像です。

憶測の多い記事で申し訳ありませんが、ダフネは堂々と海外展開もしており、現在問題になっている様子はありません。
本記事の憶測がどれだけ正確かはともかく、今後も呪文名で問題となることは考えにくいです。

まだ呪文名を使わない事例

『五つの試練』のSteam版の場合であれば、現在も旧呪文名の採用はされていない。それどころかSteam版の説明

>旧作『ウィザードリィ』#1~5との関係について

>本作は『ウィザードリィ』#1~5とは何ら関係がなく、それらのダンジョン構造や、ユニークな名称(モンスター・呪文・街名など)や、それらそのもののグラフィック・UI素材なども利用していません。

って、はっきりと書いてある。
五つの試練の権利表記はドリコム作品と同じようなものだ。

だが五つの試練は「旧作の権利を取ってないけど旧作を強く思わせるゲーム」なのも事実である。(ダフネはそこまで旧作を思わせないので違う)
上記で仮定した「現ウィザードリィを旧ウィザードリィだと誤認させる」を避ける意味で、こういうことを書いてるんだと思うんだが…
また、15年前にPCで売ってた時代から使ってきた呪文名をいまさら変えたくないという気持ちもあるのかも…?

『五つの試練』の件も不明点はありますが、想像はできる。ダフネと違って、いまだ上記の注意書きが残っているわけですが、説明できる仮説なら思いつくので、それほど不自然な状況ではないと考えます。
けど、まあわかんないですね。

謎のカタカナセーフ理論への疑問

いよいよ憶測の多かった本記事の締めくくりだが、困ったことがひとつ。
呪文名はNGというはっきりしたソースは、あるのだ。

ドリコムの前の権利者であるゲームポットWizardry Onlineについてのインタビュー。

>結局あれって誰が権利持ってるのか曖昧なままなんですよね。でもやっぱり「KATINO」(※)で眠らせたいですよねえ。

>……実はこれ,英字そのままでは版権に引っかかるかもしれませんけど,「カティノ」とカナ表記した場合には,その限りではないんですよ。例えば「MALOR」なら,カナにした場合には「マラー」なのか「マロール」なのか正確には決まっていませんし。

この解釈により、前版権者のGMOゲームポット時代、ウィザードリィオンラインやWizrogueなど一部作品でカタカナの旧呪文名も使われていた。

…本当か?
上記でもゲームスタジオの権利がちょっと出てきたが、ふつう英語から翻訳したものは「二次的著作物」とされ、元著作者の権利も当然残る。それどころか翻訳した人の権利も追加される。
もちろん読み方が何種類あろうと「マロール」がMALORなのは明らかだ。言い訳不可能。「マラーがMALORではないと断言できる状況」に持っていければ別だが、ウィザードリィのタイトルつけといてそんなこと言い張れるわけがない。言い逃れどころか、こうしてインタビューで物証まで残してる。
これが許されるとすれば、既に上記で想像した2パターン、「そもそも呪文名には著作権がなかった」もしくは「呪文名の権利は日本側が買った版権でまかなえていた」のいずれかしか考えられない。
さもなくば、グレーではなく許されてなどいなかった。

何より、これは上記で仮定した「権利的にはセーフだとしても遠慮して使わない事例も考えられる」の真逆。
権利的にはグレーだと思ってるけどカタカナならセーフだから未知の権利者に遠慮せず使った」と自分から言ってるわけである。
これは憶測ではない。そうとしか読めない。
公式側の人間(当時)が堂々と、なんでそんな自白を、大手のメディア上で?

呪文名の使用はセーフだったと現在の私は考えているが、当時のメーカーの認識は明確なグレーだったんですよ。ドリコムと連絡のついた現在と違い、ゲームポットは1から5の権利者が誰か、本当に知らなかった。
知らないまま、グレーゾーンをグレーのまま、日本人の解釈のみで乗り切ったつもりでいた。
どこにいるかもわからない権利者の持っている権利がセーフかアウトか、どうしてわかるというんです?
後でブラックだと判明したらどうするつもりだったんだ?

念のため確認しておくが、ダフネの場合はアルファベットでも呪文名変えるようなことはしていない。
ゲームポットの言ってた「カタカナセーフ理論」で乗り切ってるわけではない。ドリコムは世界で売ってるんだから当然。

カタカナならセーフというのは、過去の公式が確かに言ってたが、私はとても信じられない。
これは問題などなかったのに問題があると勘違いしたうえで、謎な解釈を持ち出している、ではないのか。それを推し進めたのは前権利者ではないのか。
だが、そう、それなりの企業である公式側の人が、謎な解釈をそんな堂々と出してくるものか…
もしかして私が勘違いしてるだけでカタカナならセーフになる国があるのか…?
いや、だが…

私は、はっきり言ってこの2011年のインタビューを疑っている。不信感を持っている。
仮定ならいくらでもできるので、2006年にサーテック側から前権利者に売り渡された際などに、呪文名は使用できないよという密約があった可能性も無ではないのだが…
「カタカナならいいよ」とは絶対言ってないだろう。言ってたらそいつが本当に権利を持ってるかを先に疑うレベル。

グレー化していった経緯について、「サーテックもしくは「別の何者か」から不正確な説明を日本人はされてきたのではないか?」このような疑いは、ないわけでない。
だがそうした根拠の薄い疑いとは別個に、グレーだと知ったうえでこうした態度であたった日本版の前権利者に対して、私は明確で深い疑念を向けている。
この13年前のインタビューに対する強い違和感を、本記事では今さら表明しなければならない。

おわりに

いくつか不明点を残しました。
特にサーテック社についての考察、整理していて気付いた情報は意図的に減らしています。
このことはいずれ続きの記事で書かざるを得ないでしょう。
それは現在一部で広まりつつあるサーテック=シロテック家へのネガティブなイメージが真実なのか、その検証も交えていくことになる。いつに書けるかはわかりません…

ですが、呪文名に関してはこれで決着、過去も現在も問題はなかったというのが私の見解です。
前権利者時代の妙な情報に推測は含みますが、現在のドリコムが自社の権利だけで呪文名を堂々と使える状況にあること、それは疑う余地を持ちません。
現時点での結論を出せるものとして、この記事だけ公開します。