神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

閃光のハサウェイ・設定関係その他

ここまで『閃光のハサウェイ』についての記事を続けて書いてきたが、最後に設定談義向けの雑多な情報を集めておく。
ただし、こちらの調査も不完全なので、不確定情報が多いことをご了承ください。もし当時のNewtypeに設定が載っていたとしても確認する術はない。→9月22日、Newtype誌に掲載された情報を頂いたため、打ち消し線と赤字で一部訂正。

コメントで頂いた情報の要約。
ペーネロペーは中巻の刊行までにNewtype誌でアナハイム製と明記されている。
・ΞのRX-105という型番は、遅くとも下巻刊行の数ヵ月後のNewtype誌に掲載。

モビルスーツの型番

小説『閃光のハサウェイ』上巻のMS設定ページに型番、スペックは記載されていない。
が、メッサーとグスタフ・カールの型番は本文中に出ていた。
「メッサーMe2R」(中巻28ページ)
グスタフ・カールFD-03」(中巻48ページ、下巻8ページ)
よってこれらはGジェネの後付けではない。が、メッサーの型番について、現在の資料では「Me02R」となっている。

ΞガンダムのRX-105とペーネロペーのRX-104FFは小説に出てこない。
では後付けと言い切れるかというと、裏設定として存在していた可能性は否定しきれない。「(Gジェネ当時には既に存在が怪しくなっていた)ゾーリン・ソールRX-110とνガンダムRX-93の間」としてはちょうどよく、またGジェネ期の後付けだとすれば、ネオガンダムRX-99へ遠慮がないため。でも、これだけじゃ後付けじゃない根拠とはならない。
当時のNewtypeなどに載ったかどうかは、知らない……
ちょうど前回の記事書いてて気付いたが、画集「GUNDAM FIX」では多くのガンダムについて型番も記載しているが、Ξガンダムの型番は書いていない。これは96年掲載で、Gジェネより前のものである。つまりGジェネ以前にΞの型番が誌面で公開された可能性は低そう。
→コメント欄で頂いた情報によると、RX-105はNewtype 90年8月号に掲載されていたそうです。下巻の刊行よりは後の号のようです。

実はベースジャバー「ケッサリア」にも型番がある。「ケッサリアBJ-K232」(下巻8ページ)。
これは確認して驚いたが、GジェネFのプロフィールにもしっかり書いてあった。そしてギャルセゾンの型番は小説にもGジェネにもない。
ケッサリアの型番は裏設定にもあるとは思えないので、Gジェネ開発時に小説をよく読んで検討していたことが伺える。

宇宙世紀何年?

現在出回っている年表では、閃光のハサウェイ宇宙世紀0105年のことになっているが、小説では具体的に宇宙世紀何年の出来事かは書かれていない。あらすじには「宇宙世紀0100年代」とある。
それでまた気づいたのだが、画集「GUNDAM FIX」ではΞガンダムを「U.C.0103」と記載していた。ということは、掲載当時まだ年代が確定していなかったのか?むしろ103年と断定する根拠があったんじゃないのか?
それじゃあ宇宙世紀公式年表の105年ってのは誰が決めたんだ?具体的な反乱の日付まで、いつ、誰が設定した?
→0105年という情報もNewtype 90年8月号に掲載されていたそうです。

年表に『閃光のハサウェイ』関係が載ったのは遅くとも94年ごろ(訂正に伴い追記。これは94年ごろから存在する「宇宙世紀公式年表」(電撃コミックのガンダム漫画に載っていた年表)の話です)GUNDAM FIXはこれより後なので、単に105年設定があることに気付いていなかったのか、わざと無視したのか。
年表では、マフティー・ナビーユ・エリンは103年から動き出していることになっている(「監視用人工衛星の破壊」という内容が書いてある。小説でも上巻の136ページに監視衛星に関する記述がある)。
『総解説ガンダム辞典1.5』の年表では、103年の衛星破壊については確定情報としているのだが、小説の内容である105年の戦いはすべて「未確定のもの(異説もあるもの)」と区分して掲載いる。103年の内容については、何か決定的に公式である理由があるのだろうか。もしくは、単に105年の日付が未確定という意味なんだろうか。
なお、小説は「マフティーの活動が顕著になってから半年」(上巻57ページ)としている。年表は少し矛盾している…?

Ξの型番RX-105は年代と関係があると考えられる。型番(の裏設定)が先にあって年表が書かれたのか、年表を見て型番を決めたのかは不明。

メッサーの開発元

メッサーがアナハイム製という設定は小説になく、Gジェネ以降みられる。Ξがアナハイム製なんだからメッサーも同じと考えたほうが自然だけど。
現在知られるメッサーがギラ・ドーガベースという設定はGジェネのプロフィールにも書かれていないが、設計はギラ・ドーガからできる。そのゲーム上の設定がそのまま文章設定に反映されたっぽい。

ペーネロペーの開発元は?

ペーネロペーは、現在は「アナハイム製でΞの兄弟機」ということになっているが、これが明確になったのも後付けのようである。小説の設定ページにはアナハイム製と書いてなく、またGジェネ設定でもアナハイム製とは書いてない。
Newtype 89年3月号でアナハイム製と明記、10月号で兄弟機として解説していたそうです。いずれも中巻の刊行前です。

本文でアナハイム製と推測できる記述はある。上巻154ページ、Ξと同じミノフスキー・クラフトがペーネロペーに使われていることに気付いたハサウェイは、『あれが新型ならば、アナハイムはやりやがったってことだ……』と、アナハイムが何かやらかしたと考えている。
ところが下巻80ページ、ペーネロペーのほうがΞより飛行性能で劣る理由について「その脅威は、技術開発の背景にある組織の問題なのだが」と、違う組織で開発されたような表現がされている。
Ξとペーネロペー、別の組織が作ったにしては装備が似すぎている。
型番から見ると、RX-104とRX-105であれば兄弟機と考えるのが自然だ。この型番が後付けかどうかは定かでないが、型番が確認できたGジェネ時点でアナハイム製を意識していた可能性は高いとは思う。
しかし、とにかくGジェネアナハイム製と明記はしていない。メッサーは明記しているのと差を感じる。

オデュッセウスガンダム

現在の設定でのペーネロペーは「RX-104 オデュッセウスガンダム」にフライトユニットを装備した形態である。これはGジェネFよりも少し後になって出てきた設定。
しかしながら、「フライトユニットを外したペーネロペー」のデザインはGジェネF時点で存在している。Gジェネ時点で裏設定として名前が作られた可能性も否定はできない。
小説ではペーネロペーガンダムの影響はあるとしつつも、本文中ガンダムとして扱われていない。小説時点でオデュッセウスガンダムの名は存在しなかったと思われる。
だがフライトユニットを外せる描写については小説にもある。下巻123~125ページ。「フライング・フォームを維持するときのミノフスキー粒子を散布するパーツをはずしたペーネロペーは、いかにも軽快で、」
フライトユニットを外せる設定はこの描写から出来たものと考えられる。だが139ページのイラストでは外してるようには見えない。
またユニット側についている(らしい)設定のファンネルミサイルも137ページで使っている。

型番がRX-104FFであることから、この型番ができた時点で「フライトユニットを外したRX-104」は想定されていると考えられる。どうやら小説版のフライトユニットは外せるようにデザインされていないので、RX-104FFは後付けとなるのだろうか。
いろいろ総合するとRX-105やRX-104は裏設定にもなくGジェネでの後付けのような気はするのだが、確信には至らず。
→ここまでの訂正部分の通り、RX-105に関しては後付けの可能性は低そうです。仮に後付けとしても、小説刊行直後には成立したものだったと言えるでしょう。
RX-104については依然はっきりしたことは言えません。
詳細な情報提供ありがとうございました。

レーン・エイムの髪の色

上巻192ページだとブラウンなのに下巻144ページでは金髪になってる。

核融合

以前の記事でもモビルスーツ核融合炉関係の話は書いたが、この小説でも核融合炉は核爆発する。ちゃんと「核融合炉」と明記したうえで、キノコ雲も出る(下巻87ページ)し放射能も出る(中巻203ページ)ので、核爆発であると考えるしかない。
核融合炉が核爆発するはずがないという現実目線の指摘は知らない。同時期の設定資料、他の富野小説で核融合炉関係をどう説明しているかは調べてない。他がどうあれ、この小説では核爆発は普通のことで、これがVガンダム∀ガンダムの描写の前段階なのだろう。核融合モビルスーツ超怖い。
特に言わなくてもいい情報を付け足すなら、ビームじゃなくても爆発してる。

ベルトーチカ・チルドレン』との関係

閃光のハサウェイ』はクェスの死因について逆襲のシャアと矛盾しており、小説『ベルトーチカ・チルドレン』の描写に基づいて書かれているが、小説自体は特に『ベルトーチカ・チルドレン』の続編とは明記されていない。
もしかしたら公に『ベルチル』の続編と言われたことはないかもしれない。今後されるかもしれないが。