神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

岡崎昭行 データガンダム キャラクター列伝 〔宇宙世紀編 II〕 シャクティの養母の人物像?

ガンダム考察の中には、公式・非公式という線引きをせずに、全肯定するというジャンルがある。
例としては近藤和久ガンダム漫画の扱いだ。近藤漫画の独自性は説明するまでもなく、どう見てもアニメと内容が一致しないのだが、こういうのに出てくるメカやその他をアニメに登場したモビルスーツと同じレベルで共存しているものとし、その開発系譜とかを考察していくというやつが、全肯定の手法だ。

もちろん、共存に無理のある部分には創作が入るわけだが。
これも例を挙げるなら「カトキバーザムはパーツ共有度がクソなバーザムを作り直してジムみたいなパーツで揃えたペズン製バリエーション」とか書いて紹介するわけである。
うん、それなら最初からテレビ版バーザム作らなくて良かったんじゃないでしょうか。

こういう行為の良し悪しをどうこう言うつもりはなくて、それを同人活動や、自分のWEBサイトでやってるぶんには何も問題ないはずである。いや、テレビ版バーザムを創作設定使って失敗作みたいに言うのはどうかと思うよ僕ぁ。でも同人でやってるぶんにはいいんだよ。

しかし実際には、この創作交じりの部分を個人サイトじゃなくWEBのガンダムwikiみたいなところに持ち込んで、さも公式設定のように書いてみたり、もっとひどいのだと(いかにもサンライズのチェックが甘そうな)ゲームの「公式」攻略本とかで堂々とそれをやっていた実例もある。
特にバーザム関連の記述ばっかりチェックしている僕のような人間の視点だと、バーザム改のおかげでそういうのを見つけやすく、2010年あたりまでそういうことがかなりやられていたのではないかと考えている。
ゲームに登場しないペズン製バーザム(バーザム改にペズン製なんて設定はない)についての解説が、なんでゲームの攻略本に書かれているのか?

そんなわけで、ジャンル自体ではなく、このジャンル周辺の「動き」に対する印象がとても悪いのです。

今回取り上げる本はそういう動きと関係があるとも言えるし、少し違うとも言える。

岡崎昭行 データガンダム キャラクター列伝 〔宇宙世紀編 II〕

なんだろうこの本は。ガンダムエース不定期掲載された記事をまとめたものなのだが、どういうスタンスで書かれたのか、それ自体の説明が本の中であまりされていない。読んで理解しろということだろうか。唯一まともな説明として、本の帯に「公式設定から異説・外典まで徹底収録」と書かれている。

僕なりに本書の内容を説明するなら、キャラクターの話題をダシに、著者の書きたいガンダム談義をいろいろブチ込んで行こうという本…?
最大の特徴は、近藤漫画を始めとする明らかに正史外の設定を正史レベルとして同等に扱っていることだ。
角川公式の説明だと
ガンダム・キャラクターのすべてを君の手に。
>ZからVまで。大評判、宇宙世紀ガンダムのデータブックに早くも続編登場!

とあるがあまり正確ではない。本書のメインはキャラクターの話ではなく、周辺のメカとか異説の雑談であり、網羅しているキャラクターも偏っている。
なお本記事で「宇宙世紀編 I」ではなく「II」の話をするのは、僕が「I」を読む必要がないと思ったからである。そして宇宙世紀編以外の単行本は存在しない。

内容の前に、著者の岡崎昭行という人の話もしておく。本書のプロフィールによると機動戦士ガンダムUCをはじめ、書籍、ゲーム等、様々なメディアにおけるガンダム作品で設定考証、ストーリー考証に携わる。」だそうである。
実際このプロフィール通り、ガンダムエース関係の多数のガンダム漫画のあとがきに名前が載っていたり、アイデアを出したり、モデルになった人物が出てきたりと、関与した形跡が確認できる。編集者とは別に、設定担当として活動していた人物であると思われる。
登場メカの選択や、ストーリーに直接関与することもあったようだ。特に曽野由大ガンダム漫画の脚本を担当している「クラップス」というのは、この岡崎氏を含むユニットであるらしい。

しかし、どれも表立ってクレジットされる仕事でないためか、ネットで調べてもこの人の関わった仕事はさっぱり出てこないのだ。
数少ないネットで出てくる情報がこちらのコラムで、ガンダム00のMS動画図鑑に関わったらしい。
他に単独の仕事だと、ガンダムエースでやっていた連載「GAME'S MSV」(単行本なし)の文章を書いてたのがこの人だ。そして同じくガンダムエースで掲載されていたのがこの「データガンダム」である。

これ以外にも、ジ・オリジンその他もろもろ、ガンダムエースの漫画のかなりに関与している形跡が、あとがきなどで断片的に確認できるのだが、実際どこまでが岡崎氏が関わっている部分で、どこまで関わってないのかさっぱりわからんのである。
またガンダムUCへの関与については、この本のプロフィール以外で見たことがないのだが、この人がUCで何をやったか知っている人います?

そんな岡崎氏の自分名義の著書である「データガンダム」は非公式設定を扱う珍しい本である。ただ非公式というだけでなく、相当マイナーな設定もできるだけ拾っているように見える。
宇宙世紀編 II〕はカミーユからカテジナまで、「機動戦士Zガンダム」から「機動戦士Vガンダム」までのキャラクターを載せているが、まずカミーユから見ていくと、地球出身であるという小説版の設定をさっそく採用している。
しかしこのページの欄外にはカミーユがサイド3出身であればZグスタフのパイロットになっていたという、近藤和久の「サイドストーリーオブガンダムZ」の内容が「仮説」として無理やり掲載されている。出身地が変わるって、仮説じゃなくて架空戦記やヨタ話じゃないのか?
こんなふうに、この本は基本的に公式とか非公式とか、正史とかそういう概念がない。
いや、公式って何か意味あるのかという話は当ブログでもしてきたが、そんな話以前に近藤和久の漫画は普通にアニメとパラレルだと思うはずだが、この本ではその区別をしていない。

カミーユの人物紹介は「フォウと恋に落ちて名前のコンプレックスを克服した」みたくストーリーをなぞるだけだが、そこに「カミーユ・ビダン搭乗機体一覧」が突然挟まり、そしてカミーユと何の接点もないマイナー漫画の登場人物も含めた「エゥーゴ スタッフリスト」が1ページ丸ごと挟まる。これが名前が羅列されてるだけで、どの漫画の人物かは全く書いてないのがまた…「フジタ技師長」みたいなキャラクター以前の存在も網羅だ。
カミーユに続いて「クワトロ・バジーナ」のページでは、シャア時代の「若き彗星の肖像」の内容を普通にテレビ版とつなげて書いているし、忍びの里コロニーで使っていた偽名を素面で書いてみせている。
宇宙世紀視点で書かれてるのに、アストナージのページなどでは「ゲームによっては」みたく宇宙世紀スパロボが存在するような表現で無理やり言及している場所も。ザビーネがスパロボみたいなゲームで扱い悪い話なんてそこまでして書かなきゃならんのだろうか…

これは「そういう本」である。非公式設定も含めて全部まとめて、キャラクターの話題なのかメカの話題なのかもよくわからず、パラレルかどうかの線引きもいい加減で、何をどういう基準で載せているのかもさっぱりわからない。
完全パラレルな「サイドストーリーオブガンダムZ」など「仮説」として無理やり扱っていることも多いが、他のページでは近藤漫画オリジナルのメカや人物は平然と載っているし、小説版だってパラレルみたいなもんだろうに、何の説明もなく小説設定を使っている。
ジュドーが伝説巨神と戦ったことや、「いけいけ!ぼくらのVガンダム」の内容まで入ってる。ギャグ漫画を公式設定レベルで扱ってるんだから、この本自体もギャグですよ。

だからってなんでもかんでも網羅してるわけでもなくて、「フォウ・ストーリー」の内容が反映されているのに、「フォウ・ストーリー」にあったローレン・ナカモトの年齢について書いてなかったり、小説Zを扱ってるのにバスク一年戦争を経験していない情報について触れてなかったり、ファ・ユイリィの漢字表記が花園麗であることにまったく触れていなかったり(花が苗字に見えるが、本書は遠慮なく「ユイリィ家」と書いてる。もっともアニメでは母親からもファと呼ばれてるので園麗が苗字であってるのかもしれんが…)、目立つ抜けも多い。パラレルが過ぎて説明が難しい設定はすっぱり諦めてるのかもしれないが、その匙加減は適当な印象だ。都合のいい部分だけ抜き出して使っている。そういう本。

「そういう本」だと割り切れれば話は楽なのだが。

・どこ情報かわからない

巻末に結構な数の参考文献が紹介されているが、どのページが何を参考にしたのかは本文中で一切説明されていないため、何の役にも立たん。
これだけなら致命的ではないのだが、この本には出所不明情報がかなり多いため、これがもっと大きな問題につながる要因となる。

・参考文献ではなく、この本で初めて出た設定がどうもあるらしい…

たとえば21ページ、百式改の型番「MSR」は「M・ナガノ博士が外れたチーム」とあるが、これどこかに出典のある情報なんだろうか?

22ページ、アストナージの生い立ちがよくわからないことについて触れながらも「宇宙世紀60年台に宇宙にて生まれる」と断言している。このページのように生年を限定する表現は他のキャラクターでも見られるが、していいのか?
ちなみに本書で生い立ちに「不明なことが多い」となっているキャラクターも異常に多い。そりゃ全員に幼少期とか設定されてるわけないからなあ。

83ページ、ジェリドがバウンド・ドックを黄色に塗り替えるプランを持っていたという言及。この「黄色バウンドドックがジェリド機」というのはアニメの描写に反しており、もともとは何かの行き違いでできた設定らしいのだが、塗りかえプランはこれを説明するための本書独自設定と思われる。

97ページ、ローレン・ナカモトがキリマンジャロにいたという『カイレポ』の内容をテレビ版の歴史と別個の異説のように載せているが、『カイレポ』ではナナイと共にカラバに投降したはずだが、本書ではナナイと共に姿を消したことになっており、なぜか内容が変化している。

98ページ、ガンダムMk-IVの開発に「フジタ技研からのスタッフ」との情報。確かにMk-IIIと関連性がある設定だが、フジタ技研への言及はたぶんGジェネ周辺に存在しなかったと思う。

99ページ、センチネル出典として「ペズン・バーザム」なるMSVが羅列されているが、商業媒体ではたぶん本書が初出の名称。そしておそらく非公式(商業以外の何か)には本書より過去に存在している…

103ページ、「ハミルトン基地」の位置を東海岸にしている。小説ブルーに出てきた基地だと思うが、この位置を特定する情報は小説中には無く、ハミルトンという地名もたくさん実在するし、地名なのかどうかも定かでない。

105ページ、ティターンズを裏切ったチャクラ研究所を攻撃したQRX-006ゲミヌスを開発したのはチャクラ研究所自体との情報。いかにもありそうな設定なんだけど、知ってる範囲ではこの本が初出みたいなんだよなあ。

割と知られているのが153ページ、レコードブレイカーがF90の「W」タイプからの派生であると書かれているが、少なくともF90を設定してた当時にレコードブレイカーとつながる設定があるはずがない…。
本書の創作なのか?それとも長谷川先生から裏設定を聞く機会でもあったのか?それにしてもなんでWタイプ?

他にもハマーンの初恋の相手がドズルってどこ情報なんだろう…とか、ハマーンがシャアにミネバを預けたと書いてあって???とか、セラーナ・カーンなんて昔のゲームの人物をやたら重視してるのは何なんだろう…とか、アニメでも「フォウ・ストーリー」でも気弱で人間的描写の多かったナミカー・コーネルを冷徹みたいに表現してるのは何か由来でもあるのかな…とか、いろいろ気になることがあったある日、シャクティの記事でようやく気付いたことがあった。

機動戦士Vガンダム』のシャクティ・カリンの生い立ちは、アニメでも多少触れられているが、富野由悠季の小説にはより詳しい記述がある。
しかし、小説『機動戦士Vガンダム』はアニメとストーリーが違っており、他の富野小説と比べてもアニメ版に適用不能な描写がかなり多く、設定を混ぜるのは難しい。アニメ制作段階で裏設定として意識されていたであろう描写もあるのだが、すっぱり切り捨てられていると思われる記述もある。
で、データガンダムではその設定を当然混ぜて使っている。
シャクティの場合、小説版では母マリアがつけたシャクティの本当の名はアシリアであり、アニメ版はもともとシャクティであるように描写されているのだが、データガンダムではアニメ版のストーリーに基づきながらアシリアだったとしてる。
とはいえ、そういう混ぜ方をするのも本書の趣旨なのであろうし、いいとしよう。

小説版の記述によると、
アシリアが4歳のときにマリアはフォンセ・カガチと出会った。そしてマリアがサイド2へと移る際に、アシリアはフォンセの手の者に誘拐され、マリアから引き離されているのである。しかも、殺さずに誘拐という形を取り、その行方はフォンセ自身も知らない。それは行方を知っていたらマリアに気を読まれるからである。
…アニメだとカガチではなくマリア自身の手によって離されたような説明がクロノクルからされる。小説の設定に基づくなら嘘を言っているとも解釈できるのだが、言葉通りという可能性もある。本名の話もそうだし、小説版にはアニメにあったマリアおばさんの写真が出てこないし、マリアとシャクティの関係は小説とアニメで結構違っている。

誘拐されたシャクティがカサレリアに来るまでの経緯は小説でも語られないのだが、シャクティの養父はカサレリアに来てすぐに亡くなり、養母は3年前に行方不明になったという。その行方は最後までわからない。
この養父母がいない経緯の説明に関しては、アニメ版でも前提知識として使えそうである。

さて、その育ての両親について、小説版になくデータガンダムにある説明が以下の通り。

・義理の両親はアシリアを誘拐した中年の夫婦。
・義理の両親はカガチから指示を受けたマリアの教団関係者。
シャクティと両親が似ていないことが周囲ですぐ噂になる。
・両親はシャクティに愛情を覚えなかった。シャクティは一方的に親を慕っていた。

このデータガンダムの記述、どれひとつ小説には書いてないんだよ…
「中年」すらだ。

シャクティが義理の母親に強い思い入れがあることは小説でもアニメでもはっきり描写されていた。小説ではアシリアという名を知ってもなお、養母への思いから実母マリアにシャクティと呼ばせてみせた。
それが愛情がない?
小説にもアニメにもシャクティの養母は登場しないし、失踪理由もわからない。教団関係者であったことを示す情報も一切ないし、誘拐犯と両親が同一人物であるという説明もない。

確かに両親が誘拐犯だったと読んでも辻褄は合うんだが…
そこに親から愛情がなかったという情報を付け足すのは、決定的に辻褄が合わないように思うのだが。どうしてこの本はそんなことを書いたのだろう。
もちろん、僕が読んだことのある『Vガンダム』にまつわる文献などたかが知れてる。あるいは僕が読んでない他の文献に、小説に基づいて余計な説明が付け足されたことがあったのだろうか…
無いと思うんだが…

岡崎氏はシャクティの義理の母に対して、なぜか文献に基づかない悪印象を抱いていて、それを事実のように書き込んでいる。
僕が手に入れた範囲の情報では、そう考えている。

クロノクルにも小説と合わない説明がある。
アニメであまり語られていない、女王の弟クロノクルがなぜパイロットをやっていたのかという経緯だが、小説によると簡単に言えばガチ党員になるのが嫌だったからのようだ。しかしザンスカールの主義に殉じなければ自分の立場が危険となる。その結果選んだのが党員ではなく軍人となる道であり、クロノクルは普通に士官学校を「それなりの成績で」卒業して軍人となっているのだという。女王から離れながらもザンスカールに留まり、だからといって姉を嫌いではないし、女王の弟として特別扱いされてないわけでもないという、案外ややこしい立場にあるのがクロノクルだった。
これもたぶんアニメ版で生きている裏設定である。

データガンダムでは、クロノクルについても小説準拠で来歴を書いているのだが(というかサイド1時代はほとんど小説の丸写しである)、軍に入るまでのややこしい思いはなぜか全部省かれており、「全ては姉や家族を守れる強い男になるためであったようだ」と、どうも微妙にズレた説明…

こういうズレは、果たしてこれで全部だろうか。
僕はVガンダムの小説は読んだが、他の全部のガンダム小説や設定資料を読んだわけじゃない。他のストーリー部分もデータガンダム独自記述が混ざってる可能性はないか?
そう、ナミカーの性格なんかもそうだ。ナミカー・コーネルに思い入れのある読者なんてあんまりいないから、気にもされないだろうが…

この本にしか見られない妙な記述の数々は、意図があって創作した設定なのだと思っていた。実際、バウンドドック黄色がある理由くらいは創作してもいいだろう。岡崎氏は設定に直接関わっている人間だ。自分で使うつもりの設定をここで先出ししておくことだってできるだろうし、この本自体で設定を創作することも別にルール違反ではない。
「ペズン・バーザム」などは公式な媒体に載らず、そしてたぶん非公式な全肯定系考察では既に使われていた本当の意味での「非公式設定」のはずだが、こういう場を利用して公式寄りに組み込もうとしているのかもしれないと、そう考えていた。
そういうやり方については、とても褒める気にはならないが、ルールに反してるわけではない。

シャクティの記述に気づいて思い至ったのだが、この本でやられているのは、筋を通すとかルールがどうのこうのという話ではなく、著者が素で間違えている記述があるのではないか?ということである。
設定を多く知りすぎたあまり、非公式媒体の記述が混入したとか、非公式設定とマイナー資料の設定の区別がつかなくなっていたとか、脳内補完がいつの間にか正史とごっちゃになっていたとか…
意図のある創作ではなく、純然たる勘違いで設定が結果的に作られる可能性、十分ありうる。
何かで目にした「ペズン・バーザム」って設定ができてるんだと勘違いしちゃったとか、シャクティの養母を脳内で悪い人だと思い込んでしまったとか。
脳内で考察入れる人がよく陥るやつだ。僕もある。

これは前からおかしいと思っていたのだが、だいぶ前にローレン・ナカモトの記事でちらっと書いた通り、『カイ・シデンのレポート』にあるナナイ・ミゲルが連邦にいたという設定、
>ナカモトがアクシズに亡命する際に彼女がニュータイプ研究所にいたという設定があったようなので。
と、ことぶき先生はそういう設定がすでにあったような言い方をしているが、他で聞いたことがない。たぶんカイレポが初出だったと思うのだが…
「存在すると思ってた設定(実際は存在しない)」を、ことぶき先生に伝えた人がいるんじゃないか。
まあカイレポの設定担当はクレジットされておらず、岡崎氏が関わっているかは定かでないので、ことぶき先生を含む他の人のやらかしかもしれないし、あるいは僕が知らないだけでそういう設定が本当にあるのかもしれないが…

こっちは確信持って言えるのだが、データガンダムはカイレポの内容を間違えており、「ローレンがカラバに投降した歴史」のはずが、「ローレンがナナイと一緒に姿を消した歴史」に修正されている件があった。ローレンの記事書いた当時はなんでここを修正したのか疑問だったのだが、これこそ修正ではなく、素で間違えていたと見るほうが自然ではないだろうか。

データガンダム以外の例を挙げる。
ドップ、マゼラ・アタック、ガウの型番、ネット由来の非公式型番が知らないうちにガンダムエースの漫画に使われたということがあって、その型番を含む資料を漫画家に渡したのも岡崎氏であることが確認されている。
ただし、資料を作ったのが岡崎氏自身なのかはわからない。マゼラ・アタックに関してはガンダムエースと別のところで先に使われていることがわかっているので、岡崎氏以外の誰かがまとめた設定を引用しただけなのかもしれないが。
※この型番の件は僕自身がかなり不本意な関わり方をした事情があり、こうして取り上げることに心苦しさはありますが。

現在、ガンダムエース誌上で見る限りでは、岡崎氏の活動は以前ほど活発でないようだ。
ガンダムUCにも関わっている様子は確認できない。現在のUC設定で目立って活動しているのは関西リョウジ(関西は「せきにし」と読む)という人で、まあ文体にとてもクセのある人なのだがそれは置いとくが。
UCでの仕事で岡崎さんの仕事じゃないかと僕が個人的に想像しているのは、関西さんが来る前にバンデシネに量産型νガンダム出そうという案を出した(カトキハジメの反対でシルヴァ・バレトに変わった)のは岡崎さんなんじゃないかなあということなのだが、それも特に根拠はなく、本当にUCに関わってたのかすら定かでない状態である。
岡崎氏がある時期までのガンダムエースにかなり関わっていたのは確かなのだが。特にPCのマイナー作を含むガンダムゲーやスパロボで活躍したものを好んで題材に取り入れていた様子があり、ぶっちゃけると「作者じゃなく設定屋の趣味で出すメカやキャラクター選んでるんじゃね」って漫画がかなりあるように感じており、そして「だいぶ趣味が偏ってるんじゃねえか」ということであるが。

けっきょく岡崎昭行さんが幾つの漫画に関与し、クレジットされてない範囲で何をしたのかは謎である。関西リョウジさんが文体のせいもあって割と目立つポジションにいるのとは対照的だ。
別にそれが悪いことというわけではないんだが、ただ岡崎さんは目立たないポジションの割には裏で結構暗躍していたような気配が感じ取れる。
とりわけ、このデータガンダムという本に関しては、うっかり筆が滑っている疑惑が僕の中で濃厚であり、非公式本としてもちょっと肯定すべきではないな…ということをこの場で書いておきたいと思った。