アンチとは
アンチは精神属性の白魔法。対象のMPを減らす。
ファミコン版の場合、サラマンドで1500ぎるで買える。
この魔法の計算式は通常の攻撃魔法と違う、独自の計算の割合ダメージとなっている(ピクセルリマスター以外)。
その効果は、対象の現在のMPを1/(1+ヒット数)にする。
1ヒットなら1/2。2ヒットなら1/3。
レベルが上がりヒット数が増えるにつれて1/4、1/5と効果が大きくなっていく。
与えるダメージで見るとヒット数に応じて1/2ダメージ、2/3ダメージ、3/4ダメージと増えていくのだが、命中数と威力は正比例にならず、レベルが上がるほど伸びが悪くなっていく。
また1ヒットでも半減まで持っていけるので強力なようだが、計算は現在値に対して行われるため、MPが減っている対象には効きが悪い。
MP0まで持っていくには相当な回数を重ねる必要がある。
特にファミコン版ではダメージが表示されないので、効果がわかりにくい。なぜか0ヒットでもエフェクトが出るという他の確率判定魔法と違う特徴を持っており、成功してるのかどうかもわからない。どうも0ヒット時もMPを1/1にするような処理をしてる気がする。
命中率は普通くらいだろうか。精神15くらいで使わせて、魔法防御1-30の味方に半分も成功しないくらいだったので基本の命中率は30%くらいじゃないかと思うが、わからん。
※FF2の魔法の正確な命中率データは見たことがない。
実戦での運用
FF2の敵の特殊攻撃、「ほのお」や「じばく」「ゆみ」などは全て魔法と同じ扱いになっている。
魔法を封じればこれらも封印されるし、MPが0になると使ってこなくなる。だからアスピルでMPを枯渇させるのは多くの敵に有効な戦法なのだが、アンチはどうかというとこれは問題がある。
たとえばオーガメイジはMPが30あり、ブリザド5などを多用してくるが、こいつにアンチが5ヒットすればMP残量は1/6の5になり、まだブリザド1回分は残る。オーガメイジの魔法を阻止したいなら一度に6ヒットは必要。
まあファミコン版はターンの途中でMPが足りなくてもそのターンは魔法を撃ってくるので、オーガメイジについてはブリザド1回分は諦め、3ヒットでMP7まで減らせば十分だろうが。
だがミンウでさえアンチの初期レベルは4。
オーガメイジの魔法防御は3-40なので、安定して3回当てるにはミンウくらいの精神があっても単体がけでレベル5くらい必要だろう。
オーガメイジごときに。
指摘を受けたので追記。FF2はMPが足りなくても0になるまでは魔法が撃てます(ファミコン版とGBA版でも確認)。よってオーガメイジ想定だとアンチ5ヒットはしないと実用レベルとは言えなそうです。
フォーグとの比較
アンチと同じ精神属性だとフォーグがある。こちらは対象を忘却状態にして、魔法を完全に封じる。
状態異常系は1ヒットすれば成功になる。何回もヒットさせなければならないアンチより絶対的に有利だが、そのぶん命中は劣るらしい。
比べたことはない。というか使ったことない。
フォーグは入手が遅いのが難点(フィンで買える)。入手の早いサイレス(神経属性)を使うという手もあるが、こちらは永久変化ではなくターン経過で切れる。FF2の一時変化はだいたい1ターンも持たずに切れるイメージなのだがこちらも使ったことがない。
知らないことが多い。
だいたいこの手の状態異常系を使うくらいなら変化属性の即死魔法を鍛えたほうがいいというのがFF2では定説なのだが、精神属性が弱点のブレインにフォーグやスリプルを使うというマニアックな戦術は知られている。
そしてブレインに低レベルのアンチが効いても仕方がない。
しかし比べるほどフォーグのほうが優秀という気もしない…
なお言うまでもないが、アンチもフォーグも精神耐性のある敵には全く効かない。
アスピルとの比較
アスピルは無属性の黒魔法。アンデッド以外の全ての敵に有効。
そして威力は通常の攻撃魔法と同じダメージ計算式になっている。相手の魔法防御が高かろうと知性が高い術者が使えばMPを枯渇させることができる。おまけでMPも回復できる。
だがアスピルでMP数百ダメージ与えるのはそれなりにレベルと知性を上げる必要がある。ファミコン版では大変かもしれない。
MPが高い敵に対して、低レベルのうちはアンチのほうが強い可能性はある…低レベルのアンチだと0ダメージということもよくあるわけだが…
アンチでのMP枯渇は難しいが、フォーグやアスピルが入手できない段階でアンチ8くらいまで育てることができれば、一定の意義はあるかもしれないと言える…
そんな暇があるかというと、ない。
もちろんオーガメイジなどは殴り倒したほうが早い。
アンチはアスピルと違い、アンデッドに逆転するということはないのだが、FF2のアンデッドは全て精神属性に耐性があるため、どのみちアンチは無効である。
ファミコン版アンチの変な挙動
意図した挙動か謎だが、ファミコン版のアンチは計算時に256を一区切りに見ているらしい。
MP現在値が256以上、511までの対象に対しては、アンチは256を引いて余ったぶんに対して作用する。
MP300とかの敵には効果が低く、256まで下がるとアンチでは全く下がらなくなる。たぶん特定のビットのみに変動が起きるようなプログラムになっているのだろう。
バグだと言い切れないのは、このプログラムを作ってる段階でこうなることに気づいてないと思えないことによる。
FF2にはMP300以上あるモンスターは結構いるのだが、意識してアンチに防御を張っているのか?
考えすぎか?
そういう敵が出てくるころにはアスピルがあるわけだが。
別の手段でMPを255以下に下げれば、0まで下げることは可能になる。自分対象に使う場合はアンチでのMP減少→アンチ使用分のMP消費という順で処理されるようで、256より下がることもある。
この挙動を式としてまとめなおすと、
>(現在MPを256で割った余り)×(魔法ヒット数)/(魔法ヒット数+1)だけ減らす
というFF大辞典の記述にまとめられる。
この記事、途中に全く検証しないでブラッドソードと同じなどと間違いが書いてあるのであまりリンクしたくないんだけど、指摘部分はたぶんあっており、ここがネット上で唯一アンチの効果について参考になる記事だった。
GBA版は256以上でも問題なく1/2にすることを確認済み。
ファミコン版だけの仕様だと思うが、WSCとPSは知らない。
パーティアタックでの使用
MP育成のためのパーティアタックでは、アスピルの入手までは有効な手段となる。
パーティアタックで使うぶんには1ヒットもすれば十分なのだが、そのような手加減はできない。FF2で魔法防御を0にする方法はない。低レベルのアンチは魔法防御1-30程度の味方にも阻まれるし、かといってレベルを上げれば2ヒット以上して過剰な威力になる。全体化するとだいたい外れる。
アンチは味方の魔法防御をギリギリ上回るくらいの成功率を維持するのが最適な魔法なのだ。
これなら過剰なのは承知でゴブリンとかにチェンジ撃ったほうが早いかも…
もちろん味方も精神耐性のある装備だと全く効かない。
アンチは実戦で使うのは難しい魔法だということがわかった。
はっきり言ってパーティアタック専用魔法と思ったほうがいいが、パーティアタック用としても意義はあるが注意点も多い。
MPを減らすだけの魔法なのに、なんでこんなに考えることがあるんだろう…
ピクセルリマスター版アンチ
ピクセルリマスター版のアンチは、アスピルと同じくダメージ判定に変わった。普通の攻撃魔法と同じ計算だと思うが詳しくは調べてない。
ともあれMP枯渇狙いは簡単になったので実戦でも使える。パーティアタックでの運用も便利になった。
アスピルと違い、アンデッドにも精神耐性で軽減されるが効く。序盤から買えるし、アスピルの存在意義はかなり消し飛んだかもしれない。
しかしあまり使わなかったので実際の使用感がそれであってるかは知らない。