神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

ピクセルリマスターFF 状態異常わからん

クラウダの無属性化

8月あたりに気づいた人がいたようなのだが、ピクセルリマスターFF1ではクラウダが無属性になってるらしい

f:id:kandatashine:20211007210724j:plain

とりあえず例として、時空以外の全耐性があるストーンゴーレムにも効く。

※2023年10月、コメントいただいた内容に基づいて末尾に追記を行いました。

いろいろ調べたこと

最初に書いた記事、

これを書いた時点では知らなかったことなのだが、FF1 ピクセルリマスターには以下のような変更があることがわかってきた。

  • 魔法の成功率、魔法防御や耐性での回避について、基本的な仕様は過去バージョンと大差ないようである。
  • 既に書いたが、リマスターのボス敵は即死系魔法の属性(毒、石化、大地、死、時空)に耐性が追加されている。
  • クラウダが(おそらく)無属性に変更されており、毒耐性がある敵にも効く。ひょっとしたら時空属性かもしれないが。
  • フィアーが無属性に変更されている
  • ただしボス敵はクラウダに耐性を持っているようである。魔法防御が低いリッチにも効かない。
  • ボス敵はデスペルにも耐性を持っているようである。
  • ボス敵もフィアーには耐性を持っていないようである。
  • ただし固定敵はフィアーをかけても逃げないようである。
  • フィアーの効果がわからない。逃げる敵はフィアーをかけなくても逃げる。
  • ボスではない固定敵はクラウダを防がない。

いっぺんにいろんな変化が起きている。

このほか、FF大辞典を読んでたら追加攻撃の記事に気になる報告があったので、少し調べた。

  • FF1の防具の耐性は機能しているようなのだが、リマスターは物理攻撃での状態異常が低確率で耐性を貫通してくることがある
  • それはそうと魔法防御が足りなくても妙に状態異常を食らいにくい。
  • なんか乱数が異様に偏る。ので上記の内容の一部自信が持てない。

「ようである」が多くて申し訳ないが、乱数の偏りが半端じゃないことがわかったので、そもそも私の検証が間違ってるかもしれないのである。試行回数を増やしたらむしろ自信がなくなるという困ったことが起きた。

従来の知見と今回の調査過程

あらためてFF1の仕様を確認したい。
FF1の状態異常魔法は属性と魔法防御の二つによって成功率が変動する。

  • 属性に耐性がある場合、魔法の命中率が通常より大幅に下がる。
    逆に弱点なら少し命中率が上がる。
  • 魔法の命中率は魔法防御で減算される。弱点であっても素の魔法防御が高い敵には成功しにくい。
  • 魔法防御が低い敵には、耐性があっても低確率で成功することがあるが、序盤のかなり低いものに限られる。
  • ファミコン版など過去のバージョンには通称「魔法クリティカル」と呼ばれる現象があり、耐性があっても成功率がゼロになることはなかったが、PS版以降はゼロになるようになった。
    バグだったのかどうかは不明。

FF1の場合は「命中値-魔法防御」みたいな単純な計算で行われている。
このあたりの知見はピクセルリマスターでも変わっていないと考えられている。ただし本バージョンにも魔法クリティカルは存在しない。

さてクラウダについては従来と同じ仕様(命中値40)だとすれば、「毒耐性があって魔法防御40以上の敵」には絶対成功しないのだが、ピクセルリマスターではその条件を満たしているゴーレムや、多数のアンデッドなどにもクラウダは高確率で効く

いっぽうで従来の仕様なら「毒弱点ではなく魔法防御188以上ある敵」には毒耐性がなくても成功しないのだが、これはピクセルリマスターでも変わっていない、と思われる。
少なくとも魔法防御200のパープルウォームにはクラウダは全く効かなかった。
だからクラウダの命中率が大きく上がったということはない。

そのようなわけで「クラウダが毒以外の属性になっている」以外の説明がつかない。
クラウダは無属性か、さもなくばボス以外が耐性を持たない時空属性なんだと思われる。
気になる方はリボンをつけた味方に敵のクラウダが効くか調べてください。リボンは時空耐性もあるので、クラウダが効いたら無属性です。

だがこれで話は終わりではなかった。

無属性化したのはクラウダだけなのか?

クラウダが毒属性じゃないのは普通に考えてもおかしい
これは意図した仕様変更ではなく設定ミスではないかと疑いを持ったため、他にも変わっている魔法があるか少し調べた。
FF1はGBA版で実質意味のない属性の細分化がされており、このことで追加装備の耐性が変なふうに機能するなど混乱を起こしているのだが、リマスターの際に設定をしくじったものがあるかもしれない。
そう疑って精神属性の魔法を調べたところ、フィアーも耐性で防がれないことがわかった
とりあえず見つけたのはフィアーだけである。他の精神系魔法、とりあえずコンフュ、スリプル、ホールド、ダクネス、サイレス、スロウについては耐性は機能していると判断したが、試行回数不足、あるいは厳密に全部調べるほど気力がなかったので他にも属性の変化した魔法、見逃しなどはあるかもしれない。

ボスは即死を防がないのか?

これは前の記事にも書いたことで、リマスターFF1はカオス系のボスが即死系の属性(毒、石化、大地、死、時空)に耐性を持っているが、毒属性はクラウダに対して意味がないことがわかった。「毒弱点ではないが魔法防御188未満のボス」は耐性があってもクラウダは成功するのでは?

結論を言うと、ボスに関しては魔法防御188未満でもクラウダは効かないようである。リッチ2回目(魔法防御140)にクラウダを何度も試したが全く効果がなかった。未検証だがクラウダが本当に時空属性になってるか、さもなければボスは通常の属性耐性とは別に即死を防ぐ専用の防御を持っていると考えられる。
つまり図鑑の毒耐性は無関係であるが…
ちなみにデスペルも効かないようだ。だからリッチは属性で防いでいるのではなく、即死など一部の状態異常そのものに耐性を持っていると考えるのが自然であろう。

ボスというかカオス系全般がこの設定だと思うが(アストスやバンパイアにあるかは知らない)、検証したのはリッチ2だけである。クラーケンやマリリスも魔法防御は高くないので厳密にはこれらも調べなきゃいかんだろうが、そこまでしなくていいでしょう…?

f:id:kandatashine:20211007210722j:plain
ところがフィアーは低確率だが効くんだな…

フィアーの効果

フィアーは敵が逃げるようになる魔法、のはずなのだがリマスターでは全く効果が実感できない。
フィアーをかけてもかけなくても、敵の逃げる確率にまるで効いている気がしない。
しかもレベルが高いはずのパープルウォームでも勝手に逃げることがある。味方のレベルが高いほうが逃げやすくなってる気はするが…

またアースの洞窟1階のヒルギガース+リザードで試していたが、フィアーをかけようとかけまいと固定敵は絶対に逃げないようである。だからリッチに効いても実際は何も意味をなしていないと考えられる。
フィアーに何か別の効果が追加されているならわからないが…

魔法クリティカルは無いらしいのだが

オリジナルのFF1には、「毒を防ぐ」とか「麻痺を防ぐ」のような「ステータス異常そのものに対する耐性」というのは設定されていなかった。
FF1では、ステータス異常を付与する行動に属性が設定されており、属性に対応するステータスを防ぐという仕組みである。

ややこしいのは即死魔法で、大きく分けて大地と毒と時空と死の4属性もあり、守りの指輪で死属性を防御しても地震やデジョンの即死は防がない。
だがリボンならば全属性に耐性があるのでほとんどの異常を防ぐ。
この属性は打撃の追加効果にも設定されている。モンスターの打撃の麻痺や毒など、ほとんどは何らかの属性がついており、リボンで防げるようになる。
だがマインドフレイアの即死は無属性であり、リボンでも防ぐことができない。GBA版で追加されたテュポーンの「はないき」も無属性。

ただし、この追加効果は純粋な魔法防御でも防ぐことができる。無属性のマインドフレイアも含めて、打撃の追加効果は魔法防御が100あれば効かなくなるそうである。GBA版以降ならレベル50くらいでだいたい効かなくなる(魔法を無効化するには魔法防御200程度は必要)。
しかし、味方の魔法防御が現在いくつなのか、ステータス画面で見ることができない。非常にやりづらい。

で、前述の通りリマスターのボスは属性と無関係に「一部の異常そのものに対する耐性」を持っている可能性がある。
味方側にそれがあるかはとりあえず未発見。後述するが、FF2にもそういうものが見つかっており、ないとは言い切れない気はする。

さて、話は変わるがファミコン版やWSC版では、打撃の状態異常には魔法クリティカルと同じ判定が起きるらしい。リボンや魔法防御で状態異常を防げるはずが、1%にも満たないくらいの低確率で異常を食らうことがあるんだと。
さらにファミコン版は攻撃回数と判定にミスがあり、8回攻撃のクロウラーの麻痺は1回ヒットでも8回ぶん麻痺判定されており、耐性を持っていようと高確率で魔法クリティカルが発生して麻痺を食らうんだそうだ。
このへんはFF大辞典の記事やらハックロム地獄変やら低レベル攻略レポートやらにバラバラに書いてあった知見を総合したもので、自分で検証してないのでどこまで本当かは知らんし、今回検証する気はない。

これを踏まえて。
ピクセルリマスター版は、リボンをつけていても、魔法防御が十分高くても(レベル54の白魔道士など)、極低確率で打撃の状態異常を食らう。これがおそらく1%にも満たないくらいの低確率だが、とにかく食らうのだ。
理屈は不明。FF大辞典には過去のバージョン同様の魔法クリティカルではないかと書いてあり、個人的にもその推測で矛盾はしていないと思うくらい確率が低い。

だが断定はできない。
魔法に魔法クリティカルがないのに、物理の状態異常のクリティカルだけ復活するというのはちょっと不自然というのもあるのだが、
それよりも、いろいろ試したところ魔法防御が低いはずなのにほとんど食らわない(ちょっぴり食らう)という状況が起きたからだ。過去の知見に当てはめていいのか、魔法防御の成長率が違うとか、確率が変わってるとか、根本的に計算が違う可能性はないのか?

乱数が壊れてる?

検証中に起きたこと

  • レベル44スーパーモンク(レベル25でクラスチェンジ、推定魔法防御72くらい?)に耐性なしでグリーンスライムの打撃を受けさせたが、30回殴られても毒を受けない。確率が想定より低すぎる。
  • 32回目で毒を受けたため、その戦闘中に治療したところ、次も連続で毒を受けた。それが4回も連続で続いたので検証を打ち切った。
  • リボンをつけたスーパーモンクは100回食らっても毒にならなかったので効いているのだと思うが…こういう結果が出ると乱数の偏りが出てるだけかもしれないとも思えてくる。リボンの効果に自信が持てない。
  • 魔法で受けるダメージを見る限り、スーパーモンクの魔法防御が他のメンバーより低いことは確かである。成長率がGBAPSP版と大幅に違うということは考えにくい。
  • リッチ2にデスペルを試していたところ、こいつは高確率で魔法を撃ってくるはずなのだが12ターン連続で魔法を使ってこなかった。
  • 魔法の成功率も全体的に従来の期待値とズレている感じがする…

FF3も前にちょっと調べたときに変な乱数パターン使ってる感じがしたし、どうもピクセルリマスターの乱数は信用ができないと思ってしまった。
このような異常な偏りが発生するのは、100ターン連続で試行などイレギュラーをやっていたせいなのか、プレイ環境に何らかの問題があるのか、とにかく試行回数を増やしても正確な確率は出なかろうという実感を得てしまったのである。

設定ミスを疑う

改めて書くがクラウダが毒ではないというのはおかしい。普通におかしい。
仕様変更というより設定ミスを疑う。

既に別の記事に書いたが(後で判明したことがあったので追記している)、FF2も状態異常まわりに手が入っている。

  • 敵も味方も、物理攻撃の状態異常を魔法防御で防げなくなっている。即死も石化も1ヒットでもすれば絶対発動。
  • しかし、毒と猛毒だけはなぜかイージスの盾、白のローブ、リボンで防げるようになった。モルボルグレートや悪魔の花など、毒を含む複数の状態異常を持つもの一緒も防ぐ。
    味方のポイズンアクスの猛毒も同様に防げる。毒耐性では防げない。

魔法防御で防げなくなったのは意図した仕様変更かもしれないのだが、毒だけ防ぐって何よ?
FF1にもFF2にも状態異常そのものに対する防御はない、という前提がピクセルリマスターで崩れているわけだが、その崩し方が非常に不可解だ。
毒属性を防ぐ黄金の盾が毒を防ぐならわかるが、そうではない。毒耐性のないイージスと白のローブでも防いでしまう。
リボンが防ぐのだってわからない。リボンで防ぐのなら毒だけじゃなく全部防ぐ設定にするもんじゃないのか?

これ、魔法防御で防げない代わりに装備で状態異常に耐性を得られる設定を作っていて、やっぱりやめた、はずが毒だけ中途半端に残ってた、みたいなことじゃないのか?

同じような作りかけの何かがFF1にも表れているんじゃないだろうか。

ピクセルリマスターで見られたクラウダの無属性化(FF1)と、リボン等が打撃の毒を防ぐ(FF2)は意図した仕様ではないと、当方では考えている。
そして、このふたつは別々の現象だが、発生している原因は似通っているんじゃないかという疑いを向け、ここに記載しておくものである。
仮に今後のアプデで消えたらバグだったと断言できるが、どうなることだろう。もう少し様子を見ていたい。

トルネドはもともと無属性らしい

実はFF3も気になることがあって少し調べていた。

FF3はもともとファミコン版にも「状態異常そのものに対する耐性」がある。
だが全状態異常、そして闇以外の全属性に耐性があるはずのリマスター版の3色ドラゴンにトルネドは効く

f:id:kandatashine:20211007211315j:plain

というか、リボンをつけた味方にもトルネドは効く。
トルネドの「瀕死」は耐性で防げないのか?それともトルネドは闇属性なんだろうか。
で、リボンと似たような耐性を持ってるボスには効かないようだ。だからFF3のボスは、リマスターFF1と同じく、どうやら耐性とは別に専用の状態異常防御を持ってるらしい。

何でその耐性をFF2のラスボスに与えていないのか知らんがPSP版2にはブラッドソードを無効化する敵ならいた)、実はファミコン版3でも同じ仕様っぽく、少なくともファミコン版のリボンではトルネドを防げないことが今回試してわかった。またファミコン版では全属性を半減する(らしい)ウネクローンにも通るため、おそらく風とか闇属性とかでもない。
トルネドが効かない敵がいるとしたら、瀕死などを全体的に無効化するボス耐性みたいなものがファミコン版3にもあるのだろう。
リマスターのドラゴンにトルネドが効いてボスに効かないのは、原作の仕様再現の可能性が高い。

いや、そもそもDS版のトルネドも3色ドラゴンに効かないのだろうか。全耐性はDS版から受け継いだはずだが、DS版のトルネドは普通の敵にもほとんど効かないのでドラゴンに試す価値すらなかった、逆に誰も試してないということはないか?
わからない。今回試していない(手元にちょうどいいセーブデータがなかった)。

なおファミコン版のボスにトルネド効かないのかというと、そんな話聞いたことないので効かないのだと思うのだが、これも今回直接試してはいない。効くボスがいたらどうしよう。

2023年10月30日追記:

記事にコメントをいただいたため、検証を追加しました。一市民さんありがとうございました。

記事中では厳密に確認していませんでしたが、リボンの属性耐性の基本は従来と同じと思われる。低レベルのモンクにリボンをつけても打撃の毒をほとんど防ぐことを確認しました。リボンに確かな効果はあります。
ですが、従来起きなかった低確率での貫通はしてきます(これは記事に書いた通り)。

リボンをつけてもマインドフレイアの即死は防ぎません。これも従来通りの仕様です。
しかしマインドフレイアの即死は魔法防御が高ければ効かなくなります。ピクセルリマスターでは高レベルでも貫通してきて回避しきれないようですが、その確率は高くありません。

ただリボンの耐性についてコメントで言われていた内容が気になったので試したところ、リボンをつけるとダークウィザードのクラウダについては防ぐ可能性が高い
上記レベル44スーパーモンクは普通にやるとクラウダをかなり受けるのですが、10回連続で回避を確認しました。
やはりクラウダは何らかの属性のようなものを持っており、敵はボス以外でその耐性を持つものはいないが、味方のリボンも通常属性とは別に何らかの耐性を持っている。ということのようです。
またイージスの盾(毒耐性)も同様の防御を持っている可能性あり。
守りの指輪(死耐性)ではクラウダを防がないと思われる。
ただダークウィザードがクラウダを使う確率が非常に低いため、検証は困難を極めます。試行回数10回で勘弁してください…

※この結果は要するに従来と同じであり、単に敵のクラウダの仕様のほうは正常という可能性もありますが、私には判別できません…

記事中でも少し言及していますが、どうもモンクの魔法防御自体がGBA版より上がってる気はします。上記レベル44のスーパーモンクをマインドフレイアで試した感じでは、魔法防御が96くらいなのでは?(モンク時代の上昇値が2?)という感じでした。はっきりした検証ではありませんが…

ボスのバンパイアにはクラウダが有効であることを確認しました。ボス全部が耐性を持っているわけではない。

以上の追記部分はSteam版1.0.4での検証です。ゲーム機移植でどうなってるかは未確認。

11月1日:もうちょっと調べました。

ダークウィザード(魔法防御170)はクラウダがそれなりに効きますが、ダークファイターのバオルを受けたダークウィザードは、クラウダを防ぐ可能性があります。
試行回数14回で効きませんでした。しかしやつらはバオル滅多に使わない上に逃げます。もう無理です。誰か代わりに調べてください。

コメントで教えていただいたのですがモンスター図鑑に毒が2種類あることがわかりました。

カオス系ボスの毒耐性は図鑑で違う位置に記載されています。どうも2種類の毒耐性が存在することは確実です。ただし毒1のほうはクラウダを防ぐ効果はなく、何の意味もない。
もしかしたら毒1は毒ガス(ダメージ)の属性に対応しているのかもしれませんが、味方が使えるのはクラウダだけなので調べようがありません。

素直に考えれば毒2がクラウダへの耐性ですが、それも確証はありません。カオス系がデスペルを防ぐことはわかっており、図鑑に載ってないボス耐性のようなものも実際に存在すると思われる(リボンでもデスペルは防がない)
毒2がクラウダへの耐性として機能しているのかは確かめようがありません。
どちらでもよいといえばそうです。