神殿岸2

2と言っても実質1.5みたいなもの

状態異常を食らいまくれ。FF2ピクセルリマスター 変更点レビュー

2022年9月11日、アップデートに伴い追記
8月のアップデートで重大な変更があり、本記事のタイトルも含めて一部の情報が通用しなくなっています。
このアップデートについて、本記事の内容は修正せず、追記を少々行って最後に総論を追加しました。

前回書いたFF1ピクセルリマスターの記事

kandatas.hatenablog.com

続いて、FF2の話題に移ろう。
FF1がPSP版がベースだったことから予想はついていたが、この『ファイナルファンタジーII ピクセルリマスター』も当然GBA/PSP版ベースである
なんで売る前に言わないんです。

2004年発売のGBA版とファミコン版の違いは多岐にわたるが、GBA版とPSP版の違いは少ない。
PSP版の変更点は追加ダンジョン「秘紋の迷宮」と「防御」コマンドが増えたこと、SORで手に入るアルテマの威力が本編と違う(詳しくは調べてないがアルテマ以外の熟練度が関係ないらしい)ことしか知らない。他に知ってる方がいれば教えてください。
今回のアルテマの威力はGBA版と同じであろうと思うが、詳しく検証はしてない。

シナリオが全然違う

しかしこの際ゲームシステムの話題は後回しでいい。今回のピクセルリマスター、FF2のシナリオがGBAのままなのは事前の画面写真でわかっていたので、買うべきかかなり迷った。GBA版でさんざんシナリオ改変されてるのは知ってたからだ。
ただ個人的にFF2への思い入れは強いほうなのでスルーしきれなかった。

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FF2は「いいじゃないか! ただ だし。」「きみの おとうさんに なっていいかな?」など、迷言ではあるが有名なセリフがGBA版でことごとく潰されており、1よりもシナリオに及ぼしている影響が大きい。
こうした有名な変更はFF1よりは認知されているが、1よりストーリー性の強い作品であるため、有名なセリフ以外もあらかた影響を受けている。

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ここのフィン王とか完全にセリフが追加されてて性格が違うレベルだぞ。これはオリジナルの雰囲気を正しく反映していると言えるのだろうか。

ここで全てのセリフの比較はしない。フィン王レベルの改変はほぼ全域で行われているが、17年前のGBA版からこうなので、いまさらである。だが今回のバージョンがオリジナルとは全然違うものであることは今一度アピールしておかなきゃならないとも思う。
当時のインタビューはこちら。

インタビュー『FINAL FANTASY I・II ADVANCE』 - 電撃オンライン

プロデューサーの時田貴司はシナリオについて「ガラっとは変えていません。」と豪語してるが、氏の発言は完全におかしい。

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もちろんカインとか名前つけたの完全にこの人の仕業に違いないのも印象が悪い。それでリチャードのセリフまで変えてるのはひどいと思う。
否定的に述べられているそっけないメッセージも含めての歴史ではないのか(というか、そっけないのは容量の都合よりも当時のシナリオ担当の作風によるのではないのか)、
いやそれよりも、2004年バージョンは17年後の今見ておかしくないと自信を持って言える出来なのか。今回のリマスターで改ページ位置くらいは変更しているが、もとはGBAという太古のハードの狭い画面に表示するためのテキストだ。容量の制限はなくても、字数の制約はファミコン以上に受けている。
これを改めることなく最新環境に持ってくるの、決して肯定的に捉えられるものではない。
原典に忠実に戻すことできたはずだし、むしろ今こそ新しいものに書き直すことはできなかったのか?

私はエンディングのレイラのセリフを変更したことがいまだに許せてない。彼女の心情はセリフじゃなくファミコンの動きだけで完全に表現されていた。ドットのキャラクターが、ごく単純な動きだけで演技をしている。ものすごく高度な演出だ。
GBA版でも動きは残しているのに、なぜ安易なセリフの追加でそれを説明しようとしたんだ?
そっけないレイラの思い、GBAの画面におさまる程度の文字数で語れるようなものだったのか?
レオンハルトもセリフが増やされたことで印象がだいぶ異なる。もともとが描写の乏しいキャラクターであるが、あえて語らない部分にこそドラマがあったのではないのか…

こうして17年前に一時のセンスで書き直されたシナリオのまま、令和の世にも最新のセンスに改められることなく蘇ったのがピクセルリマスター『ファイナルファンタジーIIだ。
ちなみに2004年の同期は仮面ライダー剣機動戦士ガンダムSEED Destinyだ。そんな時期のゲームだと改めて思い知ってもらいたい。
FF1については悪くないと先に書いたが、このFF2については33年前のオリジナルの物語を知りたいというストーリー志向の人に対して、全くおすすめできない。これはFF11よりも後に作られたファイナルファンタジー。原点でもなんでもないし、今やるにも中途半端。いや仮面ライダー剣は今見ても面白いし、余裕で現役の作品みたいな貫禄ですが。この2004年版FF2はそれに並べるほどの自信があるのか?
過去バージョンがプレイしにくい現状、オリジナルの物語を知りたい人は諦めてファミコン版か、さもなくばセリフの変更が一部にとどまっているPS版をやってもらうしかない。どちらも新しいハードではやりにくいが、3DSWiiUでできるファミコン版のほうがややマシな状況か。

逆に、既にオリジナルを十分やり込んだ上級者ならばPSP版でもよかった。ディシディアの元ネタとしてオリジナルもGBA版もPSP版要素も参照されているからやっておきたいという光の戦士のためのゲームと位置づけることができる。
(それにPSP版追加ダンジョン「秘紋の迷宮」は本編のゲームバランスを破壊するが、FF2のゲームシステムを生かした新作RPGとしては非常に高い完成度で、消えてしまうのは惜しい。
あれが時の迷宮と同時期に作られたものだと信じられない)。

だがピクセルリマスターには秘紋の迷宮もソウルオブリバースも入ってない。物語としては17年前の下位互換となっている。

しかし…FF2をやり込んでるプレイヤーに対する挑戦としては、今回のリマスターはなかなかの出来であったのだ。

シナリオ以外はどうなのか

FF1と同じで、リマスターのプレイ感そのものは決して悪くはない。画面構成も操作性も旧スマホ版よりずっといい。
ストーリーに目をつぶれば、妙に動きの軽かったWSC以降のバージョンよりも演出も好印象。新規グラフィックでありながらファミコン版の雰囲気をうまく取り戻してる。モンスターデザインもオリジナル通りに戻り、雰囲気だけであればこれまでのどの移植よりもファミコン版に近づいていると言ってよい。キャラクターグラフィックはFF1と違い原画を意識したものとなり、WSC版などで原画に近づけられたデザインを、改めてファミコンのドットベースに強引に落とし込んでる。
こうして、今までのバージョンにつきまとっていた幾らかの違和感が解消され、ちゃんと遊びやすいFF2になっている。
でも、繰り返すけどストーリーはファミコンの作品ではなく、2004年に書き直されたものです。

さてGBA版ベースといえど、FF2はFF1に比べればオリジナルから離れた改訂はされてこなかったので、今回のはまだオリジナルがベースのアレンジだと言い張っても嘘にはならないと、思う…
FF2のゲーム部分はGBA以前に、2001年にWSC(ワンダースワンカラー)で変更された部分が多かった。既にWSCの時点で、ところどころおかしな変更もあったが、GBAで改められることなく、そのままだったのだ。
それが今回はGBA版ベースながらも、要所でファミコン版に近いものに差し戻されている。
と同時に、従来なかった新仕様も多数含まれているのである。その結果、難易度はGBA版よりかなり上がっている
むしろ部分的にファミコン版より厳しい仕様さえ含まれており、かなり本気で調整していることがわかる。
なぜそのような再構成をする熱意があるのにシナリオはそのままなんです…

GBA版についてはこちらの攻略サイト「FF2よ永遠なれ」にまとまっている通り。

ファイナルファンタジー1・2 ADVANCEの違い(GBA版FF1・2)

GBA版での主な変更を上げるとABキャンセル(元はバグ)を修正したこと、熟練度が異様に上がりやすい、ダメージを受けなくてもHPが勝手に上がる、パラメータダウンが起きない、回復アイテムを99個持てるのでエスナを育てなくていい、店の商品が超安い、テレポの命中率がメチャクチャ高い、など。
ピクセルリマスターは、テレポの命中率は引き下げられたが、熟練度は上がりやすいままだ。ABキャンセルも不可能。
とにかくGBA版は時田貴司主導のもと、徹底的に簡単にしようとしたバージョン、なのだが、これらの変更があっても後半回避率を意識しないと死ぬ回避ゲーであることは変わっていなかった。
このゲーム、回避ゲーであることに気づくとファミコン版も全然難しくないという問題がある。この難易度が本当に想定されたバランスなのかはわからないが…
回避率が低いまま進めると、結構後半まで普通に進めるのだが、ヒルギガースなどで苦戦して、そのままだとコカトリスが出るあたりから急に理不尽寄りの難易度に変わる。簡単にクリアしたいなら、どこかで回避装備に切り替えるしかない。

この回避偏重のバランスについては、一度も改められたことはない。
というかGBA版はHPが上がりやすい、どこでもセーブでゴリ押せるなど、うわべの簡単さを追求する調整によって、ヒルギガース程度では苦労しなくなったが、かえって回避率が目立たなくなってないか?という問題があった。
このゲームは敵の即死攻撃や割合ダメージが強いため、HPが高すぎると回復が大変になるのをはじめ、悪影響が出てくる。特にHPが高くて回避率が低い状態は最悪で、GBA版は何も意識しないとそういう状態になりかねない。
まあ言ってもHP2000くらいはあったほうがいいし、6000くらいまではまだ大きな弊害は出ないし、万が一そうなってもGBA版のバランスなら盾持って鍛え直せば短時間で立て直せるのだが…
HPの自然上昇は、やめてもらいたい。特に鍛えなくても油断するとHP4000くらい簡単に行ってしまう。

そんな回避ゲーに今回重大な変更が多数。

  • 後列の仕様が変わり、物理攻撃の対象外とならず、ダメージ軽減になった
  • 武器の魔法干渉が復活した
  • 魔法干渉がダメージ魔法の威力に直接影響するようになった
  • 武器と盾の回避率が倍になった
  • 防具の魔法防御が強化された
  • 物理攻撃に付与される状態異常が魔法防御で防げなくなった(2022年9月追記:これがアップデートで修正されました)
  • 回避レベルの熟練度が入りにくくなった
  • 二刀流や盾に関する挙動が変わった

…FF2をそれなりに知ってる人なら、この羅列だけでも恐ろしいことが起きていることがお分かりだろうが、順を追って見ていきたい。
だがその前に回避率について基礎知識を確認しよう。

盾を装備しても解決しない

回避率と回避回数の関係、わかっている方は読み飛ばしてもらって結構だが、この2つについて少なからず誤解されていると感じた。
このゲーム、確かに回避率と軽装備は重要だが、それだけでは攻撃を回避することはできない。

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 ステータス画面の回避率が表示されている場所。「2×13%」とある。左の「2」が回避回数とか回避レベルとか呼ぶべきもので、右の13%が回避率である。
回避レベルは敵の物理攻撃の対象になると経験値がたまっていき、一定値に達すると上がる。
誤解が多いと感じるのはここで、回避レベルの上昇に盾や軽装備は関係がない。重装備だろうと戦闘を重ねればそのうち上がる。
軽装備だからとて、回避回数で有利になることはない。
そして回避レベルの経験値は隠しパラメータであり、蓄積されている様子を見ることはできない。

具体的な変更は後で述べるが、今回のバージョンは回避レベルが従来より大幅に伸びにくくなっており、対して右側の回避率のほうは激烈に上がりやすくなっている。
だが回避レベルと回避率、両方が高くなければ敵の攻撃を回避することはできない。
つまり、盾を装備するだけでは中盤以降の状態異常の数々は回避できず、何の解決にもならない。
ただし、回避率が高い状態で戦闘を行うと、ランダムで素早さが上がっていく。このため、ある程度高い必要はある…
とりあえず今回のバージョンの場合、先手を取るのが目的なら、99%にこだわることはない、ということを覚えておいてもらいたい。

大きく変動した仕様

ここからが仕様変更についてだ。

後列の仕様が変わり物理攻撃が届くようになった。後列はFF3以降のように物理ダメージを半減するだけである。敵も味方もだ。
大事件レベルの変更である。後列だろうと状態異常と割合ダメージが飛んでくるし、もはや普通の打撃でも痛い。この変更は開幕の黒騎士戦で早々に判明するのだが、なぜ発売前にそれを言わなかったのか。
従来ならだいたいマリアひとりは後列に置かれ、物理対策を考えなくても大丈夫だったのだが、そうもいかなくなった。

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このため今回は弓にも普通の武器と同レベルの回避率が追加されているが、後列に下げる意味自体があんまり感じられない。

しかし、この変更の真に大きい影響は、マリアひとりの問題ではなく、敵の攻撃が従来より分散することにある。これは回避レベルの上がりにくさに直接つながっている。
回避を上げるには戦闘回数を多く重ねるか、意識して戦闘を引き伸ばして稼ぐしかない。
さもなくば諦めて食らいながら進む。ブリンク(回避レベルを上げる)を活用するのもよい。(2021年8月13日追記:ブリンクの効果が従来より大幅に低下しており、育てる価値も明らかに低い。注意)
この変更により、少なくとも何も考えずに盾を装備するだけでは、GBA版より遥かに大きいダメージを受けるはずである。
敵の攻撃は回避しきれないものと考え、防具も重くならない範囲では固めていく必要がある。最低でも胸当ては必ず装備して、回避率が十分高ければ、魔法タイプ以外は兜や小手も持つべきだ。
今回は装備画面で回避率が見えるようになったのでやりくりしやすい。

これに加え、魔法タイプのキャラの運用にはさらなる大問題がある。
PS版以降なくなっていた武器の魔法干渉が今回のバージョンで19年ぶりに復活している
魔法干渉(攻略サイトによる名称)は武器防具に設定された隠しパラメータであり、重い防具を装備すると魔法のダメージ、補助魔法の成功率が大幅に低下する。胸当てやローブなど軽いものなら魔法干渉は小さい。今回も隠しパラメータである。
かつては多くの武器と盾にも魔法干渉が設定されていたのだが、なぜかPS版で武器と盾については一律0になっていた(防具のものはずっとあった)。このため魔法タイプのキャラクターは両手盾で回避率を高めることができたのだが、今回それをやると魔法の効果が大きく下がってしまう。
後列も攻撃を受ける今回のバージョンで回避を捨てるのは無謀だ。短刀の二刀流の回避率で我慢するか、魔法の性能を諦めて盾を持つかだ。
弓も魔法干渉が高いので要注意だ。マリアの初期装備の弓は、彼女の高い知性を生かせない。
武器は短刀と一部の杖だけ魔法干渉が低く、他はすべて高い。魔法タイプのキャラクターはナイフ二刀流がおすすめだ。

さらにもう一つ。魔法干渉の影響する範囲が従来より広い。魔法干渉が攻撃魔法の威力そのものに直接影響するようになった。
詳しい説明は攻略サイトに任せるが、従来「攻撃魔法で弱点属性を狙った場合」に限り、魔法干渉が高くても低くても問題なく大ダメージが出る仕様だった。
それと、知性や精神が低いうちは魔法干渉の影響そのものがあまり出なかった。だから意外と魔法干渉が高くても魔法は活用できたのである。
(これは魔法干渉に自力で気づきにくい要因でもある)

今回は知性が初期値程度(10)で、しかも弱点属性であっても、魔法干渉の影響でダメージが大きく減る
具体的な計算は特定していないが、おそらく魔法攻撃力に上乗せされている知性のぶんが、魔法干渉でキャンセルされているのだと思われる。
これはランドタートルを低レベルのブリザドで倒すのさえ影響してくるレベルであり、かなり序盤から魔法干渉を意識しなければ攻撃魔法の価値は激減する。
魔法まわりについては、ファミコン版より制限が厳しくなっている。
ただし魔法干渉が小さければ、GBA版と同じく攻撃魔法自体は強化されているようだ。

後列が安全ではない、盾を持てない、序盤から魔法干渉の影響が大きい、と魔法タイプには三重苦であるが、楽になった点もある。
全ての武器と盾の回避率が、従来の2倍になっている
ミスリルシールドなら回避12。計算は省略するが盾レベル6なら回避率84上昇するということである。
従来の最強の盾が回避が10なので、序盤からそれを軽く超えてくる。やばすぎる。そもそも従来は武器の基本回避率が表示されてなかったので、今回の変更もしばらく気づかなかったが、

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序盤からミスリルでガチガチに固めて回避95%とか行くのでやっぱりおかしいよこれ。
魔法干渉の低いナイフの二刀流でも十分な回避率を確保できるが、いや高すぎだろ。2倍て。

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ミスリルアーマーは先に手に入る銀の胸当ての下位互換であり、回避を下げる目的以外で買う価値は無い。このゲーム、そもそも軽装備のほうが性能面でも優秀なことが多い。

そんなわけで回避率は高くなりすぎるし、魔法干渉も盾を持った時点で終わっているため、盾装備時には兜や小手もフル装備することが推奨される。ここに来て重装備に意味が発生した
回避率は倍増しても回避レベルが上がりにくいので、物理強度はむしろ従来より下がっているくらいなのだ。せめて防御力で対抗したい。
今回全ての防具の魔法防御が従来より5ポイント上昇しているようだ。皮の帽子などでも魔法防御を持っており、焼け石に水感もあるが足せるぶんは足しておこう。

※2022年9月追記:この先の状態変化についての記述はアップデートで修正されました。

しかし、今回の難易度に影響する一番ヤバい変更は状態異常についてだろう。
物理攻撃の追加効果の状態異常が魔法防御で防げなくなった…どういう意味かおわかりだろうか。
それなりに攻略サイトを読み込んだり、自力で気づかないと認識されない要素なのだが、FF2では打撃の追加効果による状態異常は装備等の耐性では防げない。リボンをつけようと混乱も石化も即死も全部食らう。
だから物理攻撃そのものを回避するのが基本…だと言われがちだが、純粋な魔法防御でも防いでいる。
このことを正しく理解しないで回避率の話をしてる人が多く感じている。ざっくり説明すると魔法防御回数が4回あれば、4ヒット食らっても状態異常を防ぐことができた、というのが従来の仕様なのだ。
魔法防御はファミコン版ではバグにより非常に上げにくいが、WSC以降は修正され大幅に上がりやすくなっている。だから状態異常は無視はできないが、過剰に恐れなくてもよくなったのだ。自然上昇する程度の回避レベルでも十分だったわけですね。
これが一切防げなくなった
つまりこうなる。

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コカトリスの攻撃を1ヒット食らうと確実に石化する
ヤバすぎる。いや石化ならまだいい、石化した味方がそのターンもう一回攻撃を食らってくれることもあるから全滅は免れることもある。
だが打撃に「死亡」が付与されるやつに先制攻撃をされたら…?
どうすればいいんですか?

はっきりしているのは回避レベルは普通にプレイしても全然足りんコカトリス(4回)ならまだしも、クアールの攻撃を全回避するには回避7必要だ。従来でもそんなに上げるのは、自然上昇の域を超えている。
※2022年9月、追記した通り、現バージョンでは魔法防御が機能していますので、7回全回避する必要はなくなりましたが、相変わらず普通のプレイで結構厳しいレベルと思われます。
ついでに気づいた変更なのだが、今回敵のターゲットになるだけでなく、実際に攻撃を受けないと回避レベルに経験値が入らない。回避レベルが上がる直前のデータを用意し、軽く検証したが、まず間違いない。
従来は敵に攻撃される前に全滅させても回避レベルは上がっていたが、今回はそうやってサクサク進めると回避が全く上がらなくなる。回避レベルの上がりにくさはこれが最大の原因と思われる。
これに気づいた時点で、開き直って敵に攻撃させない戦略で進めたらゲームクリア時点でも回避2だったからね。
十分に育った状態でいたずらに戦闘回数を重ねても、敵に攻撃させない限り回避レベルは一生上がらんということでもある。わざと食らわなければならない。

さらに気のせいじゃないと思うが、バスナで直る一時変化の自然治癒する確率が低下したようで、毒や睡眠などは数ターン継続する。
特に混乱の危険度が大きく上がっている

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従来と違い、奥側の敵も1/2程度の確率で殴ってくるので、デスフラワー(混乱持ち)などがいたら先に倒さなきゃならない。後列に対する攻撃は半減するが、普通に届く。
しかし…まだあるのだが、終盤素早さ99まで上がっても先制攻撃の確率が変わってない、不意打ちを防いでくれないようだ(完全ランダムか?)
それが状態異常を持つ敵だったらどうなるかというと、

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あっという間に戦列は崩壊する。
これにより、魔法防御自体が微妙な存在感になった気もする。やっぱり重装備はいらないのか…

※2021年追記。回避以外で一切防げないと認識していたが、限定的に装備で防げる事例が確認された。詳細は後述。

さて、ここまで読んで、FF2に詳しいプレイヤーであれば、この新バージョンをどうやって戦うかイメージできてきたのではないかと思う。
最後の大きい変更点、二刀流と盾にまつわる仕様変更はここまでの難易度上昇とは直接関係はないが、戦略には大きな影響を与えるポイントだ。

今回の武器と盾の扱いはファミコン版ベースにWSC版の要素を一部取り込んだ感じになっている。一点の巨大なテコ入れを除いて…※2022年9月追記。この二刀流のテコ入れはなくなりました。

武器を片手に装備:
これは従来通り片手で攻撃する。利き手かどうかは関係なく武器を持った手が優先される。攻撃力は高いが攻撃回数が少ない。

二刀流:
WSC以降と同じ、両方の武器で攻撃し、片手ずつダメージを判定する。ただし、今回からの新仕様で1手目で敵が倒れた場合、2手目で別の敵を攻撃するようになったファミコン版では片手の攻撃判定がなく、価値の低かった二刀流、WSC以降はずっと強かったが、今回さらにザコ戦を短縮する強力な仕様となった。
……言うまでもなく、これは回避レベルの上がりにくさに直結する。
※2022年9月追記。この二刀流で2体倒せる現象は修正され、WSC以降と同じ仕様に戻りました。

武器+盾:
利き手と関係なく、武器を持った手だけで攻撃する。盾での攻撃は行わない。当たり前だって?
ファミコン版ではそうだったが、実はWSC以降、盾を持っても演出上は武器で殴るだけだが、内部では隠れ二刀流と判定されており、見えない盾攻撃によるヒット数とダメージ(バーサクも有効)が加算される仕様だった。
ぶっちゃけ、これはWSC以降二十年以上ずっとおかしかった仕様で、これのせいで命中回数とダメージが一致しなくなっていた。なぜ見えない武器攻撃を足すのか、なぜ普通の二刀流と違う判定をするのか。
リマスターは演出通り武器攻撃のみを行う仕様に戻っている。
今回のバージョンは、盾で攻撃を行う方法はないようだ。

素手+盾:
武器の場合と同じ。利き手に関係なく片手でパンチ。
ファミコン版だと利き手に関係なく盾のほうで殴っていたが(演出は素手になるのでわかりにくい)、こちらはWSC版以降に近い仕様。しかし、リマスターではやはり盾のヒット数は加算されない。当たり前だ。
両手素手より攻撃力は低い。序盤ならこれでも普通に通用するレベルで強いが、すぐに難しくなってくる。

両手素手
従来通り素手の単発攻撃になる。攻撃力は片手素手の2倍で、二刀流扱いにはならない。
攻撃力は高いが回避率が低いので厳しい。

盾+盾:
両手盾はファミコン版では盾で攻撃。WSC以降は盾を素振りし、攻撃しない設定になっていたが、今回は新仕様で、この構成だと素手+盾と同じ攻撃を行う素手の熟練度も加算される。
盾2個の防御力と回避率を付与したまま普通に攻撃できるため、片手素手より単純に強い。
この仕様変更により「両手盾で攻撃ターンを飛ばす」ができなくなったが、PSP版で追加された「防御」があるので、回避レベルを上げるなどの目的なら問題はない。
だが盾素振りによる熟練度稼ぎは難しくなっている。

二刀流の仕様変更、これは大幅強化であると同時に罠でもある。敵を倒す速度が上がることは回避レベルの上昇を直接遅らせる。一見プラス効果の回避率の倍増もそうで、二刀流でも高い回避率が確保できるから、つい二刀流を使ってしまうように仕向けている。
魔法使いのナイフ二刀流でも普通に敵は倒れていく。攻撃しても知性下がらないからどんどん振ってしまうけど、これも罠なのでは?
どうも、GBA版の超低難度が、そのまま回避レベルの上がりにくさとして跳ね返ってきてる
盾の仕様をファミコン版に近い形に差し戻し、長年眠りについていた武器の魔法干渉を復活させたスタッフが、この程度の罠が発生していることに気付いていないはずがない。
うわべの低難度はそのままに、ネットの攻略をちゃんと読まず、回避率だけ上げとけば大丈夫だと舐めてるユーザーを後半の状態異常祭りに引っかけようとしているのだ。
とんでもないことをしてきている。
今回のFF2、おそらく真っ当に進めると歴代FF2でもかなり難しい部類になる。仕様変更に気づかず、ちゃんとパラメータを読み切らずに従来の攻略通りにやると巨大なズレにつながる可能性がある。

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過去に私は悪魔の花なんぞに全滅させられたことはない。(なんかマリアが立ったまま死んでるのは混乱して自殺した影響らしい)
楽をしたいなら、結局どこかで回避レベルの修行をしなきゃならないだろう。ファミコン版でABキャンセルをしたあの頃のように…
状態異常を食らいまくる仕様は、おそらく魔法防御がぜんぜん上がらなかったファミコン版の気分を取り戻すための措置だ。
それを、なぜGBA版ベースでやらなきゃならなかったのか、それはわからない。GBA版でやれという謎の絶対命令でもあって、その上で難易度をファミコン版なみに盛ろうと努力したのか?

盾の素振りができなくなったので熟練度稼ぎと並行できないが、オートバトルのおかげでトレーニング自体は高速で行えるようになっている。
通常のプレイでは回避率の存在意義すら揺らいでいるが、鍛えれば相変わらず無敵になれる。難しくなっているが、その気になればいくらでも簡単にできるのだ。

これが今回のテーマではないのか?
あなたたちは本当にFF2のシステムを理解していたのか?自然な育成でクリアできるなどと本当にシステムを理解した上で発言しているのかね?という挑戦。

あるいは、今回の場合は回避を大して意識しないでも、回避率は自然に高くなる。トレーニングなしで考える場合、何も知らないプレイヤーと知ってるプレイヤーでの格差がなくなったともいえる。

まあ言っても私もFF2のことはだいたい知ってる側のプレイヤーなので、回避2でも最後までクリアできると予想し、それをやりきったし、それで結局2回しかゲームオーバーにならなかった(1回はキャプテンに挑んだ)から、結局のところ簡単ではあったと思うけど…

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これがクリア時のパラメータの一例。
もし全滅してもフロアの最初のオートセーブに戻れるので、その点はファミコン版よりずっと優しい。

自然成長だけでクリアできる攻略法

私が実際にクリアした方法を記す。
まず全員二刀流を基本とする。今回のバランスだと二刀流でも回避率は必要以上に高くなるからだ。
軽装備である程度回避率は確保するが(やっぱり重装備不要)、99にこだわることはない。回避率は回避をするためのパラメータではなく、先手を取るためのものと割り切る
ただしパラメータは上げたいため「逃げる」は多用しない。倒すのがめんどくさいゴーレムやプリンなどが出たら逃げてもいい(オリジナルと違い、逃げられない敵はごく一部である)。
黒魔法は使う。マリアひとりのみ魔法タイプとし、意識して魔法干渉の低い軽装備とした。武器はナイフ二刀流で、普通に物理攻撃も行う。
攻撃魔法は魔法干渉を意識すれば十分強いので、ちゃんと育てたほうがいい。即死もテレポは弱体化したがブレイクなどは実用レベルだ。

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これでクアールが5匹出ようと即死と二刀流のラッシュで潰し切れる。マリアの物理攻撃力が足りていればブレイクを使わず殴ってもいい。先制攻撃を取られない限りは負けることはない。
オリジナルでは二刀流など考えられなかったが、「ヤバい敵を見極めて物理で潰しきる」という戦術は、ある意味ではオリジナルの感覚に近いと思われる。
なお、今回「逃げる」の成功率がどうも信頼できないため、クアール程度なら逃げるより倒したほうが安全と考えている。
これでも運悪く先制攻撃を取られたら負けるが、ノーコンティニュークリアを目指すわけじゃないので全滅しても構わんだろう。

もちろん回避2だと普通の敵の打撃もめっちゃ食らうので、回復手段もそれなりに用意しておく必要がある。
白魔法は積極的に育てなかったが、ケアルのレベルくらいは勝手に上がっていく。また猛毒を食らうことも異常に多くなったため、エスナもかなり多用した。

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回避を補うため使い捨てのブリンクの本(使うとブリンク8の効果)を買い込んだが、使うことはなかった。(8月13日追記:だから実際にブリンクは使っていないため効果が落ちていることにも気づかなかった)
しかしバスナやエスナの本は使う場面もあった。

数多の仕様変更による難易度上昇を乗り越えたプレイヤーをあざ笑うかのようにラスボスは全く強化されておらず、ブラッドソードの割合ダメージが有効なまま。
それどころか魔法防御の仕様変更でラスボスだろうと古代の剣と眠りの剣が両方効くようになり、ポイズンアクスの強化された毒ダメージだけで完封できるようになった。むしろラスボスこそ仕様変更による弱体化を受けている
わざとやってるだろ!さんざん状態異常で難易度を盛ったんだから、これだっていくらでも難易度を上げることはできたはずだ。
GBA版の低難度に納得いかないという感情、攻略知識前提でFF2は簡単と言いつつブラッドソードを持ってくるようなプレイヤーに対する何らかのメッセージみたいなものを感じた、それが何なのかわからないが…
今回の仕様は毒もヤバいのでブラッドソードだけじゃなくポイズンアクスもラスボス戦で禁止武器にしましょう。
バーサクは使ったけど。

その他気づいたピクセルリマスター版の違い

上記以外にも変更点は非常に多い。気づいた点を列挙していく。
ただし攻略サイトをやる気はないので、不正確な調査も含む。気になるものは各自で検証してください。

武器に耐性がついていない。WSC以降、武器の属性と盾の属性がいっしょになっており、属性武器は攻撃だけでなく防御も兼ねていた。
具体的には全属性を持つエクスカリバーを装備すると、全属性に耐性がついていた。今回はこれがなくなり、耐性は盾だけになったようだ。ファミコン版と同じ仕様。
当たり前では?

盾による回避エフェクトの出る条件が違う
普通に盾を持った状態で攻撃を回避すると盾で受け止める演出が出る。
WSC以降は「盾を持った状態で物理攻撃を回避せず0ダメージに抑えると盾で受け止める演出になる」という、実際に起きている判定と異なる演出がされていたが、今回は適切だ。

チュートリアルが改訂されている
爺さんたちの教えてくれる素早さの上がる条件が正しくなってる。

f:id:kandatashine:20210808225534j:plain『素早さ』の上がる条件は、従来の移植では全て「攻撃の対象になると上がる」という間違った説明がされていた。今回はじめて正しいことが書いてある。
このほか、後列や両手盾について今回仕様が変わったものについても改訂されている。

わずかだが盾に防御力が付加されている
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効果は小さいが盾を使ってもらうための配慮か。

ボム系の自爆がHP満タンでも発動し、成功するファミコン版なら失敗、その後の機種ではHP満タンだと自爆しないなど変更されていたが、今回は1ターン目からどんどん爆発してくる。
しかも威力も大幅に上がってる。何か技の内容自体が変わってるようだ。マインの集団は攻撃魔法で一掃しないと危険。

ほとんどのランダムエンカウントが逃走可能になった。ヤバい敵からは何も考えず逃げるのもいい。
例外もあるようでドラゴンからは逃走不可だったので大型の敵は無理なのかもしれない?
ヤバいやつの大半は大丈夫だろう。

敵の逃走がこちらのHPと無関係に行われるっぽい。地味に回避レベル上げを妨げるポイント。
敵が逃げる失敗することも多い。過去には失敗しなかったはず…
ついでに、従来逃げなかったコラムが逃げるようになった。物理攻撃のみを行い、遭遇もしやすいコラムは相変わらず回避稼ぎには向いてるが、やはり意図を感じる仕様変更だ。他にも同じ変更の入った敵がいるかもしれない。

毒のダメージが大きい。毎ターン最大HPの約1/16の割合ダメージ。
既に書いた通り味方側もこの恩恵を受けており、終盤のポイズンアクスの存在感が強まる。

パラメキア城でテレポが使えるようになったファミコン版は7Fだけテレポが使えて、パーティは外に放り出され飛空船はフィンに配置されるという不自然な仕様だったが、WSC以降は不可になっていた。今回はどこでも使える。テレポを使うと飛空艇に乗った状態で脱出する。(※PSP版でもできなかったはずだが、今回未確認)

飛空艇の入手時と、ラスダン出現時に、カメラが動いて目的地を示す。行く場所がわかりやすい変更だが、これでラスダンを探す過程がなくなった。

隠しコマンドで飛空艇の速度が8倍速になる裏技がなくなった。オリジナルからあったのにどうして…

チョコボを捕まえると森の外に乗り物として配置される、という過程が省略された。捕まえるとすぐにチョコボに乗る。

チョコボが湿地で降りられない。なんで…

エフェクトが強化された結果、ラスダンの滝の中の隠しショップが外から見えるようになった

最強の武器のある部屋の隠し通路、微妙に動いてるエフェクトが設置されてる。ちなみに最強武器の名前が漢字表記に変更されてますね。

行動順がたぶん回避率ではなく素早さを参照している。
最終的に回避0%でも絶対に先手を取れることを確認。
結局回避率は高めにするため、プレイ感はさほど変わらないのだが、意図的に行動順を遅らせるのは難しくなったかもしれない。
…これ、ちょっと気になっていろいろ試していたが、素早さ10くらいでも確実ではないけど、かなりの高確率で先手になりますね。たぶん30くらいなら絶対に先手になる気がする。
先手を取るだけなら回避率、本当に要らないかもしれん。
逃げるの成功率も回避率ではなく何か違うもので行われている気がするのだが、詳しくは不明。

先制攻撃判定が違うっぽい。
従来は素早さが高ければ先制攻撃の確率が上がっていたがなくなったようだ。
少なくとも素早さ99でも先制攻撃を食らうし、味方の先制攻撃が出やすい印象もない。敵のレベル等も関係なく完全なランダムではないか?

HPの上がる条件が少し違う
GBA版以降、「ダメージを受けなくても10戦闘すると必ずHPが上がる仕様」だったが(余計なことを…)、リマスターは通常のHP上昇が起きた戦闘はこの回数がカウントされなくなったらしい。
ごくわずかだが自然上昇しにくくなり、メンバーごとのHPの上がる戦闘回数がズレやすくなるようになったわけだ。
なお、自然上昇だと体力が上がらない仕様はそのままだ。

MPと魔力の上がる条件が微妙にやさしい
従来は「一度の戦闘でMPが最大値の1/8減ってると上がる」という感じの判定だったのだが、今回微妙に少なくても上昇する…1/10だと思うが、確信が持てない。
HP/体力も少し下がってる気がするのだが、自信がない。この件について厳密な調査は行っていない。

アンチが確率判定の割合ダメージではなく、アスピルと同じ通常のダメージ判定になった。これでMPは上げやすくなったし、敵に対しても実用性が高いぞ。

斜め移動が追加されたがWSC以降にあった歩数はなくなった。低歩数派終了。

雪上船の神経衰弱がなくなった。WSCからあった要素だけどオリジナルにはなかった。

GBA版で異常に強化されたテレポの成功率が引き下げられている。おそらくファミコン版と同レベルに戻ってる。やっぱりアレはアレだったんだ。
序盤は成功率の高い即死魔法は手に入らない。

トードが即死ではなく、敵を強制的に逃がす効果に変わった。逃がすとおたからが手に入らないので、使いどころが制限される。
トードの入手時期などを考慮した変更と思われる(入手の遅いミニマムは即死のままである)。
これにより、トードと同じ変化属性のブレイクの存在意義が大きくなった。

離脱したメンバーの装備が自動で外れる
冒頭のレオンハルトの初期装備のブロードソードとバックラー、そして皮の鎧までもらえる。
ミンウたちの装備も外れるので、SORの追加は想定されていないのかもしれない?
これは後に再加入するキャラクターについても剥がれる。再加入時には初期装備に戻っている。

また、これは変更なのかどうかよくわからなくて確信もないのだが、二刀流で攻撃すると力の上昇判定が2回起きてる気がする。最初フリオニールに盾を持たせていたのだが、ナイフ二刀流のマリアのほうが明らかに力の伸びが良かったからそう思ったのだ。
でももしかしたら前からそうだったんだろうか?
なにぶん以前は剣+盾も二刀流扱いだったので…

音楽のアレンジが1より強い
なんでだろう。今回のアレンジは気に入ってないわけじゃないんだが、全体的に壮大なオーケストラアレンジがされ、ドラクエっぽくなってる。リマスターの1と3にはこの傾向は感じられない。PSP版と比べてフレーズ自体追加されてる部分もあるようだ。

気づいたのがこのくらいだった。たぶんまだまだあると思う。

8月13日追記ぶん

ブリンクの効果が明らかに低い。ただ具体的な変更は不明…
装備を変えたり聖者の心を使ったりして試したが、魔法干渉や精神の影響を受けている様子はない…検証回数が少ないので断定はできないが。
そして重ね掛けすると効果が大きくなるのは確実。この上がり方も非常に安定しており、命中率が下がったという感じでもない。ブリンクの本1冊使うたびに回避回数が約1回増える?みたいな挙動を示す(回避2のキャラで試した場合)。
割合か一定数かは不明だが、ここでは回避回数が小数点単位で上がっているのではないか?という仮説を提示するのみにとどめる。これ以上の詳しい検証は、当面する予定がないことをご了承ください。
回避2の状態からでもブリンクの本は6冊ほど使えばラスボスの攻撃を無効化できるので有効であるが、クアールに対してはいちいち使ってられないだろう、ブラスターも怖いし。

と、これを書いた直後に思いついてしまったので検証したのだが、ブリンク1の全体掛けでもどうやら回避回数が高確率で1増えることが判明した。
小数とかややこしいことはなく、単純にブリンクのレベルに関係なく、1しか上がらない仕様になっている可能性が高いというのが私の見立てだ。
さすがにブリンク1の全体化だとたまにミスすることもあるようだが…重装備で1でも3でも8でも同じような増え方をするのは間違いない。
この仮説で正しいと思うので、各々が検証してくだされー

2021年9月18日追記

コメントでふたつ情報をいただいた。ひとつはダメージを受けたその戦闘中にHPを回復した場合もHPの上昇判定が行われるというもの。
いやこれは気づきませんでした。

これはいいとして、もう一点。一切防げないと思われていた打撃の状態異常を、特定の装備で防げることがわかった。
少なくとも「イージスの盾」「白のローブ」「リボン」のいずれかを装備していると、モルボルグレートなど、一部の敵の追加効果を防げる
これらには神経・精神・変化・死の4属性の防御が設定されているが(リボンはこれ以外の全属性も防御)、ねじり鉢巻き(精神属性)、力だすき(神経属性)、黒装束(変化属性)、守りの指輪(死属性)のいずれを装備してもモルボルグレートの状態異常は防げない。
なぜか「イージスの盾」「白のローブ」「リボン」には通常の属性耐性だけでなく、打撃の状態異常に対する謎の耐性が設定されている、としか考えられない。

ところがこれらはモルボルグレートの状態盛りは防ぐのに、モルボルの麻痺は防げない。
何体か他のモンスターも調べたところ、どうも追加効果に毒か猛毒を含むものを防いでいる可能性が高い。ブラックプリン(猛毒)も防ぐし、悪魔の花(混乱+毒)も防ぐ。しかしデスフラワー(混乱)は防げない。
この謎耐性、モルボルグレートに有効なので無意味というわけではないが、クァールやヘクトアイズの即死など肝心なものは防げない。

しかし、なんで?
毒耐性の黄金の盾が毒を防ぐのならわかるが、そんな効果はないし、リボンを他シリーズに合わせるなら全部防いでも良さそうなものだが、モルボルの麻痺すら防がなくて、ランドモルボルの毒+麻痺なら防げる。
おかしくない?
これが本当に想定した挙動なのか、かなり、疑わしいと率直に述べておく。

という感じになります。コメントでの情報ありがとうございました。他にも意外なものを防ぐ組み合わせはあるかもしれないので、気づいたらこっそり教えてください。

ギャラリーの変更

ギャラリー機能が最初から解禁されているが、収録されているイラストにPSP版と結構差異がある。

  • PSP版ではカラーで塗られていたモンスターもいたが、全て白黒で収録されている。
  • ホーネット、キラーフィッシュ、ティアマット、皇帝2が収録されていない。
  • 皇帝Bが新たに収録されている。
  • PS版のCGイラスト7枚が収録されていない。
  • タイトルロゴ2種類が追加されている。

画質は大幅に良くなっているが、少々内容の劣化が目に付く。

実績関係

Steam版は実績あり。FF2は期間限定ダンジョンがあるため、トレジャーハンターと魔物図鑑が厄介。魔物図鑑は全データ共有しているので、途中のセーブデータが残っていればそちらで回収しても大丈夫と思われる。宝箱回収が別データでできるかは不明。

覚えなくてもクリアできる言葉があることに注意。すべての言葉を覚える実績がある。またエクスカリバー入手イベントが達成できない可能性がある。

武器と魔法、どれでもいいので熟練度16にする実績があるが、普通にクリアする範囲では16もいらんので、結構大変だ。
魔法16は町でテレポとケアルを繰り返すのが楽。武器は回避2以上ある状態で「レッドマシュマロが全滅するまで弱い武器でオートで殴り続ける」方法が楽かと思う。クリアしてないなら回避レベル上げもついでにできる。

おわり。

本記事の参考サイト

surume5.han-be.com

GBA版を最後に長いこと更新されていないのが残念ですが、現在も余裕で通じる素晴らしい攻略サイトです。

「魔法干渉」はこちらの攻略サイトなどで使われている独自用語です。
この隠しパラメータはエンターブレインPSPファイナルファンタジーII 公式ガイドブック』で正式に存在が明かされ「魔妨率」(または魔法妨害率)として記述されていますが、現状「魔法干渉」のほうがはるかに認知されているため、当記事でもそのようにしたものです。

2022年9月11日追記(長め)

発売から1年以上経った8月22日、アップデートでver1.0.4となった。

この中に以下の重大な「不具合の修正」が含まれていた。

  • 敵の追加攻撃を正しく回避できない場合がある。

場合があるというが、要するに魔法防御が従来通り追加攻撃を防ぐように改められた。ピクセルリマスターの難易度を大きく高めていた問題の現象が「不具合」だったというのである。
ラスボスも眠りの剣1ヒットでは完封できなくなった。

  • 両手に武器を装備して1撃目で敵のHPを0にした際に、2撃目で別の敵を攻撃する場合がある。修正により、2撃目も同じ敵を攻撃するようになります。

マジで?
これも不具合だったのか?
「場合がある」と稀に起きる現象みたいに書いてるが100%発生してましたがな。あまりにも堂々と変更されてるからテストプレイで仕様と思われてスルーされたのだろうか、実際プレイヤーも仕様変更だと思ってたんだけど…
少なくともリマスターの仕様を決めた人間がテストプレイすれば絶対に気づいたはずだが…テストプレイやる前に異動でもしちゃったんだろうか。

また「バトルに関する調整」に

  • 回避回数(回避率)を上がりやすくしました。

とあるが、効果は不明である。
アプデ後も実際に殴られなければ上がらない仕様は改められていないことは確認しており、後列は相変わらずターゲットになるので敵の攻撃も分散する。
回避は過去の機種と比べ上がりにくいままではないかと思うが、何か緩和したのだろうか。

ただ、調べていて回避回数について以下のような現象を発見したので、ここに報告する。

  • 回避率回数が1から2に上がる寸前のデータを用意した。ランク1の敵相手に、1戦闘で実際に4回殴られると回避が2になる状態。
  • この状態で「3回殴られて戦闘終了」を繰り返しても回数は上がらない。つまりランク1で最低4回殴られないと経験値が入らないと判断。

「FF2よ永遠なれ」によるとファミコン版なら3回、それも実際に殴られずにターゲットされるだけでいいので、リマスターは現バージョンでも非常に厳しいのだが、ここでさらに以下の現象が確認できた。

  • この状態のデータで、敵の数が何体でも「1ターン目に攻撃魔法で敵を全滅した場合」も回避回数に経験値が入り、レベル2に上がる。

なんじゃこりゃ?
敵の数も味方の人数も関係なくこの現象は起きる。敵が1体でもだ。
だが2体以上の敵に対して、2ターン目に魔法で全滅させても、殴られた回数が3回以内ではレベルは上がらないのだ。
つまり、どうも「1ターン目に魔法で全滅」という行為そのものに対して、敵の行動と無関係に一律で回避経験値が入るとしか考えられない結果が出たのだが…
あるいはこれがアプデで上がりやすくなったということなんだろうか…?
前のバージョンからこんなことが起きてたかは不明。

アプデ後は通しでプレイしてないので、回避回数がどの程度上がりやすくなったかは未体験である。大幅に上がりやすくなったとも思えないが、二刀流弱体化もあって攻撃を食らう頻度は増えて、魔法防御も意義が大きくなった。
悪魔の花はもちろんクアールでも強引な回避育成なしで何とかギリギリ行けるようになったんじゃないかなあと、そんなふうには思う。
無理なら不自然な回避育成をするだけだ。ピクセルリマスターFF2のゲームバランスはGBA版と大差ないか、少々厳しいか、くらいのものになっただろう。
装備の回避率が従来の2倍になってるのはそのままで、すぐカンストするので魔法防御を高めるために重装備はむしろ推奨とか、ブリンクは弱いままとか、少々クセが変わったところはあるが。

ともかく、「不具合」の修正により、1年以上存在した厳しいピクセルリマスターは失われた。…本当に不具合だったのか?
この無茶苦茶な「不具合」により、ある意味ファミコン版の初見プレイのような感覚を取り戻していたのは確かであり、そしてこれは誰も不具合と思っていなかったのだ。テストプレイヤーもそう思ったんじゃないのか、さもなきゃFF2を一度もプレイしたことのない人間しかテストしてないから、何が違うか誰もわからなかったか。
多くのFF2をプレイした私にも、いまだFF2の正しい仕様はわからない。テストプレイヤーだって同じだろうが、仕様変更を決めた人間はわかっているものと信じたいのだが…
不具合だったとして、なぜ1年放置した?FF5と6で忙しかったのだろうが、そういうスケジューリングも含めて見通しが甘かったのだ、スクエニの。

この記事に書かれた状態異常を食らいまくったFF2は、たった1年だけ存在して、もうプレイすることはできないものとなった。
うたかたの夢のごときゲーム体験であった。

ファイナルファンタジーII
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